短歌に関する本の読書記録をまとめました。覚書のようなものなので、どれも短めです。頓珍漢な感想ありそうですが大目に見てください…。
※読了順
歌集
俵万智『会うまでの時間 自選歌集』
新歌集刊行を機に、『サラダ記念日』以来詠みつづけた1500首より著者が精選した一冊。あなたの好きなあの歌もきっとあるはず!
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163675503
短歌の歌集を読むのはこれが初めてでした。現代短歌? って言うんですっけ? あんまり形式ばってないんですね。いろいろ新鮮でした。どこで切って読めばいいんだろ、と考えてしまったり。
収録されている短歌は恋愛ものが多かった気がする。仕事関連の短歌もありましたが、恋愛の短歌が印象に残りました。大人の恋愛というか。切なかったり、はっとさせられたり、恋愛の愚かしさというかそういうものも感じさせられたりして。どうもうまく言葉にできないのですが。
お気に入りは色々あるんですが、特に
「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
がいいなあと思いました。同じものを共有する人がそばにいるってなんかいいなと思う。
俵万智『あなたと読む恋の歌百首』
俵万智が選ぶ百首の恋の短歌。幸せいっぱいの恋、許されない恋……それぞれに俵流解釈が添えられたユニークな短歌評かつ恋愛手引書
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167548056
最近歌集が気になっていた頃に、なんとなく手にとって読んでみた本。短歌って奥深いなあ。結構歌に自分の本質が出ちゃいますね。これで表現するのって大変そう。
それはそれとして、こちらの本にはたくさんの恋の歌とそれの解釈などが一緒に書かれてるんですけど、それがまたおもしろい。こんな解釈があるんだなあ。著者の身近な人や自身の経験からの解釈。なかなか興味深かったです。この本で素敵な歌をたくさん知ることができました。良かった!
○装丁が素敵なので他の形態の書影リンクも貼る。
★朝日新聞出版の単行本
★朝日文庫版
小島なお『歌集 サリンジャーは死んでしまった』
大学生から社会人となり、一人暮らしをはじめるまでの4年間の成長の軌跡が、豊かで透明なことばで表現される。みずみずしい感性が深化し、歌人としてさらなる輝きをみせる第2歌集!
https://www.kadokawa.co.jp/product/201105000236/
あとがきによると、2007年から2011年までの二十歳から二十四歳までの作品、三百七首が収録されていたようです。作品の中には昨年3月の震災のころの作品もありました。
主に、卒業から就職、恋、祖父のこと。特に家族のことを詠んだ短歌が多かったような気がします。また、短歌に動物の名詞がちょこちょこ出てきていたのがなんだか印象に残っています。素直な感じ。そしてなんか瑞々しい感じがした。
穂村弘『短歌ください』
本の情報誌『ダ・ヴィンチ』の投稿企画「短歌ください」に寄せられた短歌から、人気歌人・穂村弘が傑作を選出。鮮やかな講評が短歌それぞれの魅力を一層際立たせる。言葉の不思議に触れる実践的短歌入門書。
https://www.kadokawa.co.jp/product/301404001095/
思わず唸ってしまうようなセンス輝く作品ばかり。『ダ・ヴィンチ』の投稿企画の短歌だそうだけど、とても素人とは思えない。普段から短歌詠んでる方が多いんだろうなあ。素敵な短歌がたくさんで読んでいて楽しかったです・しっとりとしたものから、声に出して笑ってしまうものまで様々な作品が紹介されています。なるほどなと感心してしまうものもありました。
同じ場面に遭遇しても私はこんな風な見方はできないんだろうな。いろいろ新鮮でした。穂村さんの一つ一つの作品解説もとてもよかったです。ちょっと短歌に挑戦してみたくなってしまいます。
★ダ・ヴィンチブックス
穂村弘『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』
絵:タカノ綾
まるで、本当に「まみ」なる人物が存在するかのよう。この歌集は「まみ」が手紙とともに作者に送った歌、という設定のようなので、架空の人物なはずなんですが。すごくかわいらしい印象。女の子らしいというか。タカノ綾さんのイラストがまた雰囲気があり、まさにイメージぴったりって感じで素敵でした。
千葉聡『そこにある光と傷と忘れもの』
http://www.fubaisha.com/search.cgi?mode=close_up&isbn=2048-8
上記URLから収録短歌の一部、目次、本の紹介記事などが読めます。もう品切れらしい。
タイトルと表紙の写真が綺麗だったので、つい手にとった歌集。
作者の二十代後半から三十代前半までの作品二四三首を選んでできたもののようです。恋の歌、家族の歌…とある中で作者が勤めている中学のことをうたった歌が印象に残っています。最初は生徒たちとうまくつきあえなかったんでしょうか。作者の悩みだとかそんなのが伝わってきたような気がしました。歌集の頁が進むにつれて、生徒たちとの関係もいい感じになってたみたいですけど。あとがきまでが作品って感じです。