文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

いしいしんじ『雪屋のロッスさん』

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装画:秋山花

 何か仕事を持っている人たちを話の主人公とした短編集。
 1つ1つの話が短いのでさくさく読めました。そんな短い話の中に、話の主人公たち(日本人だったり、外国人だったり、人ではなかったり…)のドラマが詰まってます。
 御伽噺のようでもあり、ノンフィクションのようでもあり。現実と非現実の狭間にいるみたいな、そんな感覚がありました。ほっこりとどこか温かくなる話もあれば、崖に突き落とされるような冷たい感じの話もあったり…(その場合は主人公をとりまく環境が、なんですが)。
 結末は多種多様。タイトルにもなってる「雪屋のロッスさん」も印象的ですが、見張り番の男の話やマッサージ師の女の子の話も妙に心に残ってます。どちらも正反対の結末なんですけどね。

 


★単行本の装丁も好き。