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長野まゆみ作品 読書記録まとめ

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 長野まゆみ作品の読書記録をまとめたページ。
 表紙が好きなので、自分のために単行本、文庫両方の書影リンクを貼っています。

※書名50音順

長野まゆみ作品

少年アリス

少年アリス (河出文庫)

少年アリス (河出文庫)

夜の学校に現れた迷いの園。季節の交代を象徴する銀の実をめぐり、鳥と人とが不可思議な幻想劇を繰り広げる。メルヘンの時代の到来を予感させるロングセラー。
(引用元 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309005454/


第25回文藝賞受賞。

水蓮の開く音がする月夜だった。
本文より

 という書き出しでこの話は始まる。この始まりがすごく好きです。幻想的。話にひき込まれます。
 夜の学校が舞台というのもまた魅力的。友情、兄弟愛、少年の心の動き。文章に含まれる言葉に透明感があります。きらきらしたものの描写がとにかくきれい。儚げといいますか、幻想的といいますか。どこかレトロなところもいい。

 長野まゆみさんの書く話に出てくる登場人物の名前って個性があるというか、不思議な感じがします。

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『天体議会(プラネット・ブルー)』

自動人形(オートマータ)と噂される謎の少年との出会いと別れ。彼方にきらめく南の光を求め、旅立ってゆこうとする星の少年たちの孤独を描いた、長野まゆみの“星の王子さま”――。
(引用元 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/4309404243


 友情、兄との確執、謎の少年との出会い。銅貨と水蓮の関係、友情が素敵だった。空気のような存在というか。持ちつ持たれつ。お兄ちゃんに愛想がないのは、きっと照れているからだ、と密かに思っている。弟に冷たくあたってしまうというのは、なんとなくわかるような気が。

 透明感のある文章。雰囲気があります。難しい漢字が多かったりするけど、星の名前だったり、石の名前だったり、1つ1つが綺麗で魅力的。文中にある、様々な色を表す言葉がまた、雰囲気を出していると思う。目を瞑れば、頭の中で景色が広がるような感じ。個人的に、この本の全体的なイメージカラーは青です。

★ドラマCD。キャストが豪勢です。


★単行本も好き。



『三日月少年漂流記』

博物館に展示されていた三日月少年が消えた。精巧な自動人形は盗まれたのか、自ら逃亡したのか? 三日月少年を探しに始発電車に乗り込んだ水蓮と銅貨の不思議な冒険を描く、幻の文庫オリジナル作品。
(引用元 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309403571/


 「詩篇カレイドスカフ1」「三日月少年漂流記」「銀色と黒蜜糖」を収録。(※単行本の感想です)

 後者の2つは少年が主人公。どちらもなんか不思議な話でした。
 「三日月少年~」は盗まれたと思われる電池で動く人形がどこへ行ったかを捜索するという話。2人の主人公の銅貨と水蓮が生き生きとしていてよかった。
 「銀色と黒蜜糖」もこれまた不思議。最初は読んでいてよくわからなかった。主人公の月彦が夢なのか現実にいるのか理解していなかったからだと思う。柘榴だとか人物の服装だとかの描写がとても綺麗。奥が深い作品でした。

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『夜啼く鳥は夢を見た』

夜啼く鳥は夢を見た (河出文庫)

夜啼く鳥は夢を見た (河出文庫)

子供たちが沈んでいる、と云われる美しい沼のほとりに建つ一軒の家。そこで祖母と二人きりで暮らしている従兄の草一を、紅於と頬白鳥の兄弟が訪れる。沼の底へ消えた少年たちの愛を描く水紅色の物語。
(引用元 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309403717/


 「夜啼く鳥は夢を見た」…鳥は啼いている。つまりは起きているわけで、どうやって夢を見るんだ? なんて、思ってみたり。
 題名のとおり、どこか不思議な話。そして薄気味悪さも漂う話。現実のような、そうでないような、境が分からなくなるような。

 長野まゆみさんの本はもう何冊か読んでいるけど、今思うと主要な登場人物は皆少年のような気がする。解説の方も仰ってるけど、作者は少年愛を書いてるわけじゃないと思う。愛とかじゃなくて、もっと心の奥深くにある、説明の難しい感情。でも、作品の中には心理描写より、風景描写というのか、そのときの景色だとか動作の方がよく書き込まれているような。果物の描写がとてもみずみずしく感じた。

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