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エドワード・ゴーリーの絵本

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 ちょっと不気味だけど不思議な味わいのあるエドワード・ゴーリーの本の読書記録をまとめました。
 河出書房新社さんからでている絵本のシリーズは英文も併記されていて、原文の魅力も味わえます。
 大体読了順です。

エドワード・ゴーリーの作品

『うろんな客』

うろんな客

うろんな客

訳:柴田元幸

カギ鼻あたまのヘンな生き物がやってきたのは、ヴィクトリア朝の館。とある一家の生活の中に、突然入り込んできて、そして、それから――。ゴーリー独自の文章が稀代の翻訳家によって短歌に!
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309264349/


 表紙の得体の知れない珍妙な(でもなんかかわいいシュールさの)キャラが「うろんな客」。その客のよくわからなさが韻を踏んだリズムのある文章で描かれています。
 ところで、やりたい放題のこの客は一体何者? あとがき(解説)を見ると、「子ども」であるとの推測が…。なるほど納得です! なんか可愛くて憎みきれないとか家の人たちの反応・対応もそんな感じだ。不思議な世界がいい感じの絵本でした。


『おぞましい二人』

おぞましい二人

おぞましい二人

訳:柴田元幸

実話を元にした、子供を誘拐して殺してしまう「忌まわしいカップル」の物語。ゴーリー最大の問題作!? 人生はかくも過酷なものである、としみじみする異色の一冊。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309268002/


 実話が元とか怖すぎるな。題名どおり確かに「おぞましい二人」の話でした。意味がわからないのが怖い。おぞましい二人の人生を淡々と描いた物語。


『むしのほん』

むしのほん

むしのほん

訳:柴田元幸

“カラフルなむしたちの しゃこうせいかつを だいなしにした くろいむしのうんめい”…… 生きていく哀しさと美しさを虫たちに託して描いた傑作。オールカラー。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309275475/


 訳者のあとがきにもあったけど、他のエドワード・ゴーリーの本とはちょっと毛色の違う絵本。
 虫は嫌いですが、この絵本にでてくる虫は不思議とかわいい。色も鮮やか。黒が仲間はずれなのは、その色の特色・性質でしょうか。でも後味は悪くなかったです。
 しかし、この絵本がアメリカでは人種差別って言われているとはなあ…。黒が仲間外れだからか…。


『蒼い時』

蒼い時

蒼い時

訳:柴田元幸

「生きることじゃなくて、生きてもらうことが大事なんだ」旅嫌いのゴーリーが唯一遠出したときの思い出を、2匹の犬(もどき?)に託して語る摩訶不思議な物語。珍しく可愛いお話です。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309265025/


 青色が鮮やかで美しくて印象的な絵本でした。2匹の犬の旅の話です。文章の意味はよくわからないのですが、なんか不思議でなんか可愛い話でした。ブラック要素もほとんどなかったと思う。
 哲学っぽい感じ。文章の空白部分に入る言葉はなんだろう?


『題のない本』

題のない本

題のない本

訳:柴田元幸

定点観測のようなカメラワークでとらえた画面の中に、次々と登場する不思議な生き物たち。激しくシュールなゴーリーの魅惑の世界が展開する大傑作! シリーズ第13冊目。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309267838/


 こちらも↑の『蒼い時』とは少し違う青い表紙が鮮やかできれい。
 しかし本文は謎の擬音のオンパレードでまったく意味がわからなかった。何を意図してるんだろう。考えるんじゃない、感じろって感じか。
 でも、庭に集まる動物たちはなんだか楽しそうかも。ゴーリーに出てくる登場キャラは憂鬱そうな表情をしているイメージだけれど。


『雑多なアルファベット』

雑多なアルファベット

雑多なアルファベット

訳:柴田元幸

「赤子泣くとも墨汁飲むな」「昆布選るなら寄りあって」など、ヴィクトリア朝の教訓をパロディにしたゴーリーならではのアルファベット・ブック。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309265902/


 ABC…のアルファベット・ブック。絵がやけに小さいなあと思っていたら、元は豆本だったのだとか。納得です。その絵の小ささがなんか可愛かったり。
 ユーモアたっぷりのセンスのいい文章。どれも韻を踏んでいるのがおもしろいです。訳者は納得のいく訳ができなかったとあとがきに書いていますが、この文章を訳すのはなかなか至難の業な気がします。「病んだら早急 薬を請求」みたいに原文のように韻を踏ませるの、難しそう…。


『不幸な子供』

不幸な子供

不幸な子供

訳:柴田元幸

おぞましい小動物があちこちで蠢く、掛け値なしの悲劇。トレードマークの微細な線画で、圧倒的な背景を描き込み一人の少女の不幸を悪趣味すれすれまでに描いた傑作!
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309264974/


 優しい両親、裕福な家に生まれたシャーロット。なのに、彼女の運命はなんでこうも無常なんだろう。救いがまったくない話でした。お話なのに、お話のようにうまくいかないもんなんだな。ある意味、現実的だけど、それにしても…。不幸な子供と言わざるをえない。後味悪し。