葛城冬馬、十三歳。明治元年生まれの髷頭の少年は、東京大學医学部教授・ベルツ宅の給仕として働くことになった。古式ゆかしき日本と日本酒をこよなく愛する教授は、比類無き名探偵でもあった。米国人水夫殺害事件、活き人形が歩き出す怪事……数々の難事件を、冬馬の調査をもとに鮮やかに解決してしてゆく。史実を絶妙に織り交ぜながら綴る、傑作ミステリー!
(引用元 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334748531)
ミステリの短編連作集。おもしろかった! 各章のタイトルが有名な作品をもじったものになっていて、その元ネタを知っているとにやにやできるかもしれません。
主要登場人物が皆個性的でした。その時代にしては珍しい髷を結っている少年(後に念願のざんぎり頭に。成績優秀。巻き込まれ体質っぽい)に独逸からやってきた日本贔屓のベルツ先生、そして章ごとに名前と職を変える男。結局彼は謎が多いままだったような。キャラが生き生きとしていて楽しかったです。葛城冬馬もベルツも歴史上の実在する人物なんですね! 日本史知識がもう少しあれば、もっともっと楽しめたんだろうなあ。
収録
なぜ絵版師に頼まなかったのか
九枚目は多すぎる
人形はなぜ生かされる
紅葉夢
執事たちの沈黙
★単行本
★表題作タイトルの元ネタ。読んでいる際にタイトルが脳裏を過りました。
★wikipediaの記事に元ネタが記されていたのでリンクを貼っておきます。
なぜ絵版師に頼まなかったのか - Wikipedia