絵:エーヴァ・ラウレル
訳:尾崎義
名探偵を夢見るカッレくんは,大事件が起こるのを手ぐすねひいて待っています.ある日,エイナルおじさんの怪しい行動に第六感を働かせ,捜査を開始.宝石窃盗団に迫ったカッレくんは仲良しのアンデス,エーヴァ・ロッタと一緒にお城の地下牢に閉じこめられてしまいますが…….スリル満点の痛快な冒険物語.[解説・山田洋次]
(引用元 https://www.iwanami.co.jp/book/b269596.html)
小さい頃読もうと思って結局読めずにいたのですが、今回ちゃんと読むことができました。面白かったです。一番初めのページをちょっと読んで、なんとなく堅苦しそうな印象を受けてたんですけど、読んでみると全然そんなんじゃない。堅苦しそうと感じた部分はカッレくんの別人格ともいえる名探偵ブルムクヴィストが語っている場面だったんですね。しかし、ブルムクヴィストって言いづらい。
そういえば名探偵を夢見るカッレくんには憧れの名探偵が何人かいるようなのですが、ホームズ、ポワロはわかるんですが、ピーター・ウィムジイ卿やアスビョーン・クラーグという名前は初めて聞きました。名前の登場率からすると、ウィムジイ卿の方がカッレくんにとって印象が強そうですね。
カッレくんの住む町はおよそ凶悪事件など似合わない平和な場所。そんな場所で事件が起こるのか。起こったとしても子供向け、たいしたことないだろうと最初は高を括ってました。だけど、そんな予想を見事に裏切る事件が。カッレくんの洞察力には感服。アンデス、エーヴァ・ロッタとのトリオも良かった。あと、カッレくんが自分を名探偵だと思っていても、その一方で自分の能力の限界をちゃんと理解しているところが好印象でした。
推理もアクションも申し分なく楽しめました。子どもの視点ってこうだよなあ、なところをよく描かれていて、さすがだなあとも思う。心の動きとかも。アンデスをリーダーとしてライバルたちと戦って遊ぶというバラ戦争の場面も好きです。面白かった。
ピーター・ウィムジイ卿 - Wikipedia
Sven Elvestad - Wikipedia ←アスビョーン・クラーグってこれか?