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宮部みゆき『刑事の子』

刑事の子 (光文社文庫プレミアム)

刑事の子 (光文社文庫プレミアム)

十三歳の八木沢順は、刑事の父・道雄と東京の下町に引っ越した。慎吾という友人もでき新しい生活に慣れたころ、町内で奇妙な噂が流れる。“ある家で人殺しがあった”と。そんな矢先、荒川でバラバラ死体の一部が実際に発見されてしまう。更に、順のもとに事件の犯人を知らせる手紙が!? 刑事の子・順は捜査に乗り出す!
(引用元 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334766276


 「東京下町殺人暮色」の改題。読みやすかったです。初っ端からの事件はなかなかに猟奇的でぞくりとしました。

 キャラが良かった。特にハナさんが素敵だった。順くんも良い子で。年のわりにはしっかりして落ち着いている。お父さんと速水さんのコンビも良かった。そういえば、順は事件後チーズケーキのレシピを教えてもらったんだろうか。

 犯人のこととかなかなかわからなくて、楽しく読みました。が、犯人の正体とか動機とかがまたなんともいえず。もやもやするというか胸糞悪いというか。ほんとに自分たちが何をしたのかわかってないんだなあ、と。風刺的な感じもしました。読み進めていくごとに、徐々に最初の事件と老人の噂の事件の繋がりが見えてきてなかなか楽しめました。
 物語のキーにもなる絵の謎もおもしろかった。作品をまた描くことはないと言っていた東吾さんですが、そんな彼がまた作品を描く気になってくれたのはうれしいかも。<火炎>という作品のエピソードも良かったです。

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