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中田永一『吉祥寺の朝日奈くん』

吉祥寺の朝日奈くん (祥伝社文庫)

吉祥寺の朝日奈くん (祥伝社文庫)

装画:紀伊カンナ

彼女の名前は、上から読んでも下から読んでも、山田真野(ヤマダマヤ)。吉祥寺の喫茶店に勤める細身で美人の彼女に会いたくて、僕はその店に通い詰(つ)めていた。とあるきっかけで仲良くなることに成功したものの、彼女には何か背景がありそうだ…。愛の永続性を祈る心情の瑞々(みずみず)しさが胸を打つ表題作など、せつない5つの恋愛模様を収録。
(引用元 http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396338022


 乙一氏の別名義の恋愛小説短編集。とても良かった! どれも読みやすかったです。面白かった! 青春というか、こういう恋愛はちょっといいかもなあと思った。少しだけある謎解き(?)要素も楽しかった。一応どれもハッピーエンドといえるのでしょうか。

交換日記始めました!

 交換日記をやりたくなる話。2人だけの秘密が他に知られるのは少しきついものがあるけど、あの日記の中はなんだか優しい世界に感じられた。主人公がちゃんと日記の人に会えればいいと思う。

ラクガキをめぐる冒険

 主人公の恋愛相手は会いたがってたあの人かと思ったけど…。森アキラはずるい奴だけど、ちょっと可愛くて何故か憎めない奴でした。…でも、やっぱりずるいな。

三角形はこわさないでおく

 短編集の中でも特に好きな話です。3人の絶妙な距離がツボでした。みんなが相手のことを思いやっていて、キャラもみんな良い子でみんなに幸せになってほしいけれども三角関係という以上難しいんですよね。廉太郎とツトムの友情の描写も良かった。

うるさいおなか

 すごく笑ってしまった。先輩が怯えるほどのおなかの音とは一体どんなものなのか。短編集の中でも異色を放った面白い切り口の話。主人公が明確に誰かに恋心を示しているのに、何故か恋愛要素が一番薄く感じられた。高山さんと春日井くんの今後が気になります。

吉祥寺の朝日奈くん

 一人の青年と既婚子持ち女性の話。不倫とかそういうドロドロしたものではなかったので、あまりハラハラせずに読んだのですが、種明かしにびっくりしてしまいました。色んな思惑があっての二人の出会いと思うと、なんともいえない気持ちになるが、それでもやはり惹かれるものがあったのだなあ。「許します」の台詞が印象的。幸せになってほしい二人です。


★私が読んだのは単行本。こっちの表紙も好き。