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水柿大地『21歳男子、過疎の山村に住むことにしました』

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「見とれ!」,74歳のみっちゃんは僕からクワをとりあげると,田んぼの畦を泥できれいに塗っていく.さすが! ――地域おこし協力隊員として村に入った大地は,お年寄りの元気と技に驚く毎日だ.都会から若者たちが入り込み,地元の人に学びながら,棚田再生,米作りや炭焼きに取り組む.8300枚の棚田の里に輝きがよみがえってきた.
(引用元 https://www.iwanami.co.jp/book/b223811.html


 地域おこし協力隊として田舎の集落に入った青年の奮闘記。大学を休学という決断もなかなか難しいと思うのにそれを実行し(彼女に振られたことがそのきっかけということに驚き)、継続しちゃうのがすごい! 慣れない作業、はじめてのことばかりでの現場では苦労も多かったようだけど、それでも前向きな著者や周囲の人たちの姿になんだか読んでて元気をもらいました。著者を含めた作中で登場する人たちのフットワークの軽さには驚きです。やってみれば、やれないことなんてないのかも、と思わせるものがあります。

 田舎はなんとなくよそ者を受け付けないんじゃ、なんていう印象があったんですが、この村では受け入れる態勢が元々あったんですかね。協力隊の人たちの真摯な態度ももちろん村の人のよそ者への印象を変えたことの1つなんでしょうけど。人と人との繋がりを大切に、これって重要だよなと思う。
 児童を対象にした新書なだけに読みやすかった。飾り気のない文章にも好感が持てました。色々と考えさせられる本でした。