文字を食べる

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川端善明『宇治拾遺ものがたり』

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絵:川端健生

こぶとりや腰折れ雀をはじめ,鬼や狐の活躍する話,美しい話,こわい話が集められた鎌倉時代の説話集から,昔も今も変わらない人の心のふしぎさを描いた小さな物語47編.
(引用元 https://www.iwanami.co.jp/book/b269776.html


 ちらほら見たことのある話がありました。「こぶとり」「腰折れ雀」なんかは昔話で何度か見たことありますが、「腰折れ雀」は私が知ってるのとだいぶ違います。これがやっぱり元なんですかね。この話に出てくる瓢箪と私の知ってる話に出てくる葛籠には似たようなものを感じます。
 「稚児とおはぎ」は中学だかの教科書に載っていた「稚児のそら寝(だったかな?)」と同じもの。式神の呪い」は安部清明の話。「ばくちうちのむこ入り」(むこが変換できなかった)の文中に、「(シランゾ、ホントニ)」といったようにカタカナの()書きで神視点のぼやきみたいなものが時々書かれてるんですが、これがなんかおもしろい。
 賢いものから愚かなもの、色んな人物・化生が登場する宇治拾遺物語ですが、やはり教訓的なものが多いですね。内容思い出せるように、ほんとは一つ一つに一言感想的なものがあればいいんだけど。


収録
ひらたけ法師/こぶとり/伴大納言の話/待たれた旅人/稚児とおはぎ/地蔵に会った尼さん/鬼に会った修行者/大食の聖/金峰山の金を盗んだ話/隣のお葬式/式神の呪い/卒塔婆の血/大力学士と相撲取り/大どろぼうの大太郎/帰ってきた死人/腰折り雀/狐の話 二つ/石橋の下の蛇/三河入道の出家/進命婦のこと/しんらつ蔵人/魚食の僧/おかしな暦/地獄へいったお地蔵さま/柩のなかの尼/うんぷてんぷふりわけ双六/小さな大きいおくりもの/ゆあみ観音/大食中納言/信貴山のものがたり/仏を射た猟師の話/ばくちうちのむこ入り/猿神退治/蔵人頓死/海賊発心/にせ入水往生縁起/吉野山の鬼/新しい仏さま/穀断ち聖が逃げ出した/近衛の中将誘拐事件/陽成院の化物/一条桟敷屋の鬼/夢を買った話/美しく恐ろしい人質/海賊を追い返した矢/相応和尚の話/仁戒上人のこと