人生の大切なものを見失った人間の前に現れる神々たち。その意外な目的とは? 優しさとせつなさが胸を打つ連作短篇集。
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-76756-7
登場人物の一人称で語られる短編集。読みやすかったです。
どの話でも神様が普通に人間世界に溶け込んで暮らしていて、ありえないとはわかっていても、側にこんな神様いたりして? なんて読みながら思いました。登場する神様が割とよく聞くもので、仰々しい感じがしないのがよいですね。御釜に宿った九十九神が登場する「ひとりの九十九神」が特にお気に入りです。御釜が割れたときはどうなることかと思いましたが、最後に炊飯器の方に宿るところが茶目っ気があっていいなあと思う。どの話も読んでて温かな気持ちになりました。
収録
幸せな死神
貧乏神の災難
疫病神が微笑む
動かない道祖神
ひとりの九十九神
福の神の幸せ
★単行本