文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

梨木香歩『鳥と雲と薬草袋』

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 土地の名前にまつわる短い旅のエッセイ集。
 一つ一つが2頁と短いので、読みやすかったです。ゆっくり読みたい内容。あとがきでも一日一篇、というふうに触れられていました。また、あとがきに、これくらいの長さを「葉篇」と呼んでいる、ということも書かれていました。造語ということだけど綺麗な響きだと思う。「破片」に繋がるものもありますね。

 書かれていたのは知らない地名ばかりで新鮮でした。なかには話題になったこともある地名もあったけれど。自分のよく知る地名も書かれていて、ちょっとにやっとしてしまいました。
 それにしても趣深い地名が消えていってしまうのは、寂しいものがありますね。色々な事情があるのは重々承知だけど、昔からあったものがなくなってしまうのは残念なものです。色々考えさせられます。

 シンプルな表紙がとても好みの本でした。作中にも時々シンプルなイラストがあって、かわいかったです。