装画:杏那
今日も町のごはん屋さんで笑って、泣いて、食べよう。
食欲も涙腺も刺激される極上短編集
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-744041-6
食がテーマの短編集。料理の描写、調理の描写が丁寧でとてもおいしそうだった。登場するのが馴染みのある料理なのもいい。おいしい料理にはいろんな力があるんだなあ。ところどころ話が繋がっているところににやりした。おむすびとマンプク食堂の話が特に好き。感情が忙しいです。以下、簡単な覚書メモ。
四分間出前大作戦
『中華そば・ふじ屋』入院している父親にラーメンを食べさせたい幼い兄弟に協力して四分間の出前に。スケボー選手の圭介と俊足と嘯く池田(どうしてもサンシャイン池崎が脳裏をちらついた)がいい仕事した。
おむすび狂詩曲
『おむすび・結』はメシマズ母のマズメシに悩む女子高生のひかりの安息の地。SNS映えはいいけれど、味がともわなかったらダメだよなあ。なんにしても、どちらの母娘関係もうまくいきそうでよかった!
闘え!マンプク食堂
『マンプク食堂さとう』デカ盛りのお店のご主人は客を「腹いっぱい!」満足な顔で帰ってもらいたい。(息子を亡くしている。彼は「はらへった」と言って死んでしまった。悲しい…)そんなある日、痩せの大食いの客が来て。彼を満たすために挑戦する大将。その後、フードバトルにでた青年が店のことを量だけでなく、味もうまいと紹介したため、店をやめるのはまだまだ先になりそう。
或る洋食屋の一日
『グリル月河軒』ドミグラスソース。おいしそうなのになくなってしまうのはさみしい。だれか継いでくれる人はいないかと思っていたら…。
ロコ・モーション
『Locomotion No.1』キッチンカーで究極のロコモコを作って売る。この短編集のラストを飾るのにふさわしい短編。