文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

住野よる『君の膵臓をたべたい』

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装画:loundraw
高校生が主人公。

 「君の膵臓をたべたい」なんて、すごいタイトルだなあと思ったけど、読んでみてすごく納得した。
 病院で「共病文庫」というタイトルの1冊の文庫を拾ったことから、クラスメイトが病気であることを知ってしまった僕。そんな「僕」がそのクラスメイトと秘密を共有し、同じ時間を過ごしていく話。いずれ来る別れのことを思うと、淡々と進む日常もなんだか切なかった。
 何者でもなかった主人公の僕の輪郭がクラスメイトと接していくうちにはっきりしていくのですが、最終的に気持ちをあんなに顕にするまでになって、彼の成長を感じた。共病文庫に名前を書くな、と言ったこともあったのだろうけど、頑なに出なかった僕の名前が最後に出てきたとき、思わず「おおっ!」となりました。不思議と爽やかな読後感でした。

★双葉社に特設ページがあったのでリンクを貼っておく。
www.futabasha.co.jp

★映画


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