文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

ブックガイド・読書エッセイ

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 ブックガイドや読書エッセイの読了記録をまとめるページ。
 著者名50音順。

ブックガイド・読書エッセイ

貝谷郁子『料理で読むミステリー』

作品に出てくる料理から、事件の背景、主人公の性格やライフスタイルなどを探る異色のミステリーガイド。探偵が厨房で腕をふるう一皿、誘拐犯の一味が子どもにふるまうあたたかい飲み物、ときには料理が事件解決の伏線にも。「食」を通してミステリーの新しい魅力を発見する。実際に作って味わえる想像再現レシピも収載。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784140880555


料理がでてくる本を読むのが好き。でてくる料理の描写がおいしそうならもっといい! そんな自分にはうってつけのブックガイドでした。

料理という視点から主人公のことや事件のことを見る、考察していく、というのはなんだか新鮮でおもしろかった。そして紹介される本の料理描写がほんとうにおいしそうで…! 最初に書いてあったけど、お腹がすいてる時に読むのは危険ですね。本当、お腹がすきました。再現料理のレシピも挑戦したくなってしまいます。
作者の海外ミステリーへの愛があふれてる本だと思いました。紹介されている作品の中には知っているものもあったけれど、今読むとまた違った感想がでてきそう。主に料理の点で。この本で紹介されてる本、また読みたいな。



木村衣有子『もの食う本』

絵:武藤良子

四十冊の「もの食う」本たち。文学からノンフィクション、生活書、漫画まで、白眉たる文章を抜き出し咀嚼し味わう一冊。
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480428981/


ものを食べる」シーンに注目して本を選び、著者が感想文を書いた読書エッセイ。
料理の描写がただおいしそう…というものだけではなく、ちょっとひねった本も選ばれているのが興味深い。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』も選ばれていて、この本に食べ物の描写あったっけ? と思ったけど、おもしろい擬音語で表現されていたんだなあ。『深夜食堂』は私も好き。
紹介されていた本は読んだことのある本もあったけど、知らなかった本はどれも気になった。勝手な印象で読まずにいたものもあったけど、どんな話かなんとなくわかったので、また読んでみたい。


國學院大學みちのきちプロジェクト『みちのきち 私の一冊』

みちのきち」とは本を身近に感じてほしいという想いから國學院大學で生まれたプロジェクト。

これは素敵なブックガイド! 装丁がいい。各界の著名人たち(一流企業の社長、芸能界の一線で活躍する人、伝統芸能、作家エトセトラ)が大学生に勧めたい本を紹介。紹介文もいいし、選書もジャンルがいろいろで楽しい。さまざまな本に興味を持つきっかけになると思う。

最後のあとがきで、読み進めるごとに紹介文の文字が小さくなっているとあって、読み終わったあとにパラパラ見直した。本当に最初の紹介文のフォント、大きかった! すごく自然に小さくなっていったんだなあ。
意外な芸能人の推薦文もあり、びっくり。読みたい本がまた増えてしまった。

紹介文とともに紹介された本の写真が見開きに掲載されている。その写真もとてもすてき。ただ一部、本を開いたまま伏せている状態のものがあって、他人事ながら「本が傷んじゃうよー」と心配になった。でも自分の本だと時々やってしまう。



▼紹介されている本(クリックで詳細表示)

※読了済のものなど、一部省いています。

『蒼き狼』井上靖
『あすなろ物語』井上靖
『嵐が丘』エミリー・ブロンテ
『あるヨギの自叙伝』パラマハンサ・ヨガナンダ
『アンダーグラウンド』村上春樹
『生きがいの創造』飯田史彦
『逝きし世の面影』渡辺京二
『いつか別れる。でもそれは今日ではない』F
『永遠の0』百田尚樹
『影響力の武器』ロバート・B・チャルディーニ
『栄光の岸壁』新田次郎
『えーえんとくちから』笹井宏之
『エミール』ジャン=ジャック・ルソー
『折口信夫全集1 古代研究』折口信夫

『街道をゆく』司馬遼太郎
『快楽としての読書 日本編』丸谷才一
『覚悟の磨き方』池田貴将
『学問のすすめ 現代語訳』福澤諭吉
『神なるオオカミ』姜 戎
『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー
『考え方』稲盛和夫
『漢字』白川静
『君たちはどう生きるか』吉野源三郎
『君の志は何か』前田信弘
『近代法の常識』伊藤正己
『「空気」の研究』山本七平
『空白の天気図』柳田邦男
『剣客商売』池波正太郎
『恋と退屈』峯田和伸
『孔子』井上靖
『工場に生きる人びと』中村章
『古事記』西宮一民
『国境の南、太陽の西』村上春樹
『今年竹』里見弴

『細雪』谷崎潤一郎
『寂しい生活』稲垣えみ子
『されど われらが日々――』柴田翔
『山月記・名人伝』中島敦
『死者の書』折口信夫
『失敗の本質』戸部良一ほか
『自分の感受性くらい』茨木のり子
『修身教授録 一日一言』森信三
『十二人の怒れる男』レジナルド・ローズ
『昭和文学全集』谷崎潤一郎
『職業としての政治』マックス・ヴェーバー
『新史太閤記』司馬遼太郎
『信念』ディエゴ・シメオネ
『少しだけ、無理をして生きる』城山三郎
『精神と情熱とに関する八十一章』アラン
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』山口周
『世界は一冊の本』長田弘
『関ヶ原』司馬遼太郎

『脱学校の社会』イヴァン・リッチ
『旅に出よう』近藤雄生
『騙されてたまるか』清水潔
『卵をめぐる祖父の戦争』デイヴィッド・ベニオフ
『だれも知らない小さな国』佐藤さとる
『探検家、36歳の憂鬱』角幡唯介
『歎異抄』金子大栄
『長安の春』石田幹之助
『超バカの壁』養老孟司
『沈黙』遠藤周作
『使える弁証法』田坂広志
『ティファニーのテーブルマナー』W・ホービング
『栃と餅』野本寛一
『土俵を走る殺意』小杉健治
『ながい坂』山本周五郎
『NASAより宇宙に近い町工場』植松努
『日々是好日』森下典子
『日本人とユダヤ人』イザヤ・ベンダサン
『日本の知恵』亀井勝一郎
『野村克也の「菜根譚」』野村克也

『ハーバードでいちばん人気の国・日本』佐藤智恵
『はじめて考えるときのように』野矢茂樹
『馬上少年過ぐ』司馬遼太郎
『叛アメリカ史』豊浦志朗
『悲劇の誕生』フリードリッヒ・ニーチェ
『ビジネスマンの父より息子へ30通の手紙』G・キングスレイ・ウォード
『100歳だからこそ、伝えたいこと』塩谷信男
『風姿花伝』世阿弥
『ボクの音楽武者修行』小澤征爾
『星の巡礼』パウロ・コエーリョ
『本田宗一郎』野中郁次郎

『松平家 心の作法』松平洋史子
『道をひらく』松下幸之助
『三屋清左衛門残日録』藤沢周平
『宮沢賢治全集』宮沢賢治
『未来のスケッチ』遠藤功
『無常という事』小林秀雄
『MADE IN JAPAN』盛田昭夫
『モリー先生との火曜日』ミッチ・アルボム

『夢をかなえるゾウ』水野敬也
『夢を喜びに変える自超力』松田丈志・久世由美子
『吉本隆明詩全集5』吉本隆明
『弱いつながり』東浩紀

『利他のすすめ』大山泰弘
『林住期』五木寛之
『ルリユールおじさん』いせひでこ
『歴史という武器』山内昌之
『歴史とは何か』E・H・カー

『ワセダ三畳青春記』高野秀行
『私とは何か』平野啓一郎
『わたしの娘を100ウォンで売ります』張 真晟

さわださちこ『猫を愛する人のための猫絵本ガイド』

うっとりするほど美しい猫、疲れた心をいやしてくれる猫、子供心をわかってくれる猫、たくましくてたよりになる猫、思わず笑っちゃう猫……など、13の猫タイプ別に展開。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000186032


 どこもかしこも猫づくし! 猫が登場する絵本がたくさん紹介されているブックガイド。どの絵本の猫も可愛かったり、個性的だったり…。猫好きにはたまらないかも。紹介されている本読みたいな。絵本以外にも写真集や小説なども紹介されている。



柴田元幸『つまみぐい文学食堂』

イラスト:吉野朔実

O・ヘンリーのライスプディング、カポーティのフルーツ・ケーキなど、一皿の表現が作品の印象を決めるような食にまつわるあれこれを綴った、柴田節光る異色エッセイ。
https://www.kadokawa.co.jp/product/200807000295/


 海外文学の「食」に焦点をあてたエッセイ。メジャーなものからマイナーな作品まで色々な作品に触れられていて、また読みたい作品が増えてしまった。食べ物の名前の羅列だけでもおいしそう。けど、なかにはそれほどおいしそうでないものもあったり…。逆にそれが興味をそそられたり。
 作者の語り口もよかった。おもしろかった!



田中共子『図書館で出会える100冊』

 文学、ノンフィクション、古典、絵本などなど様々な本が紹介されています。とても丁寧。YA向けかなあ。本を読みたいけど、何読めばいいかわかんない、何が読みたいのかわかんない、という人にいいかもしれません。普段読まないジャンルの紹介が参考になりました。



千野帽子『文藝ガーリッシュ 素敵な本に選ばれたくて。』

「志は高く心は狭く」――尾崎翠、武田百合子、嶽本野ばら等、大正・昭和・平成3代のガーリッシュな文学作品を紹介する、スヰートで辛口な小娘(フィエット)のためのブックガイド決定版。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309017853/


 文学少女のバイブルともいえる本を多数紹介。これまで、いわゆる少女趣味と呼べる本はライトノベル系のものしか読んだことがなかったけれど、古きよき乙女小説も心ときめくものだなあ。いろいろ挑戦してみたくなった。ただ紹介されている本、現在は入手が難しそうなものが多いかも。図書館行かなきゃ!



津野田興一『世界史読書案内』

 中高生向けのレーベルですが、紹介されている本の内容は幅広く(日本史や歴史小説、ちょっと違うジャンルも)、また一般の方でも十分楽しめそうなものばかり。というか普通に難しそうなものも混ざってました。でも、丁寧な紹介文が読書欲をくすぐります。読んでみたい本がまた増えてしまいました。どうしよう!



ミシマ社『THE BOOKS green 365人の本屋さんが中高生に心から推す「この一冊」』

 本のベテランである書店員さんがYA世代に向けておすすめするブックガイド。
 メジャーなものからマニアックなものまでラインナップされています。他のブックガイドではなかなかお目にかからないような本も!
 書店員さんたちのコメントとともに載せられた手書きPOPがまた良いんです。素敵! 興味のない分野の本もなんだか気になってしまう。魅力たっぷり! 読みたい本が増える本です。


宮田珠己『旅するように読んだ本』

読書とは頭の中で旅をすることでもある。旅好きで本好きなタマキングが選んだ、笑える人文書たち。あなたも本で旅をしませんか。
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480432742/


 単行本のタイトルは『はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある』だったらしい。長いけど、こっちの方がなんか好きかも。
 人文書を中心とした本の書評集。他の書評集ではなかなかお目にかかれない感じのラインナップで楽しく読んだ。著者の着眼点もおもしろく、その本に興味を惹かれた。ただ、手に入れるのが難しそうな本が多い印象だった。図書館に相談だな。
 また読みたい本、関心が持てるジャンルが増えました。


○単行本