文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

小路幸也『花咲小路四丁目の聖人』

  当サイトの記事には、広告・プロモーションが含まれます

泥棒稼業はとっくに引退したはずの老紳士。商店街の厄介事が気になり、昔取った杵柄の“泥棒”のワザで事件を解決。楽しくて時折ほろ苦く、じんわり温かい物語。
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8000777.html


 好きな設定の話だった。
 英国の元泥棒紳士。そんなダンディなご隠居が陰謀の中にある商店街を華麗に救う! 商店街という舞台もとても好みです。なかなか見られないご近所さんとの交友だとか、そういうのがあるのでほっこりとします。
 しかし、セイさんの手並みが鮮やかすぎて。(盗むとはちょっと違う感じもしましたが)克己、北斗という仲間がいるからそれも可能なのでしょうが、ほかにもたくさんいるという仲間たちが気になりますね。商店街の危機を救うこということで彼らは動いていたのですが、終盤に差し掛かっても結果が見えてこなくて少しヒヤヒヤしました。そうしたところで急に5ヵ月後となってびっくり。<マッシュグループ>のこととか、もっと詳しく知りたかったような。
 とはいえ商店街の今後も、亜耶と克己の恋の行方もすべて大団円。後味が良く心温まる癒し系の話でした。