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レイ・ペリー『ガイコツと探偵をする方法』

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訳:木下淳子
解説:上條ひろみ
装画:QUESTION No.6

 主人公の親友は歩いて喋る骸骨、というありえない設定のミステリー。
 ひょんなことからシド(骸骨)は見覚えのある人物と遭遇し、主人公のジョージアとシドの二人はシドの前世を調べることに。だが、その最中に死体を発見してしまい…。

 とにかく感情豊かなガイコツのシドが魅力的。骨をもじったジョークや会話もおもしろい。また登場人物に関しては、ジョージアとマディソンの親子関係がいいと思った。よい距離感だなあ。
 ジョージアの娘のマディソンが日本のアニメやマンガ好きというところになんか親近感。おまけに秋田犬を作中で飼い始めるとは。秋田犬はかわいい。
 ジョージアの職が大学の非常勤講師ということもあり、大学という職場、講師の実態なんかも詳しく書かれていて、その点も興味深く読んだ。大変そうだ。

 ずっとシドの存在を知らされていなかったジョージアの娘のマディソン。そんな彼らの初対面の場面にはほっこりした。また、ラストの「シドが必要だから」と言い切ったジョージアのせりふもぐっときた。ミステリー要素より、友情や家族愛等が書かれたパートが好きだなと思う。
 ジョージアはいつかシドのことを打ち明けられる相手に出会えるのかな。チャールズとかどうだろう。
 なんにしても楽しく読めた。最初は骸骨とか怖っ、とか思ったけど、シドみたいなガイコツなら同居生活も楽しいかも。