おいしそうなおやつが出てくる絵本の読書記録をまとめたページ。
読了順。ときどき増えます。
おいしい絵本 おやつ編
ドーナツが出てくる絵本
みやざきひろかず『クマさんのドーナツ』
わすれんぼうのクマさん、あるいているうちになにをかいにいくのかわすれてしまった。「あれっ、ぼくなにをたべたかったんだっけ」。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784564018190
読み聞かせに使った絵本。食べ物が出てくる比較的短めな話。全体的にシンプルな感じだけど、淡い色遣いが優しく、絵がかわいい。
内容はクマさんがドーナツを食べたいと思い立って出かける、というもの。が、結局この絵本の中で忘れんぼうのクマさんはドーナツを食べてないんです。「ド」のつく別の食べ物だったり、「まるい」形の別のものだったり、同じ材料を使う別のものだったり。クマさんは忘れんぼうなので、ちゃんとドーナツを食べるために自分が忘れないように工夫もするのだけど、それでもクマさんは目的のものを忘れてしまう。そこが面白い。聞いてくれてた子も笑ってくれました。クマさんと物知りふくろうさんの短いやりとりも面白い。
パンケーキが出てくる絵本
岸田衿子、おおば比呂司『パンケーキのおはなし』
パンケーキが出てくる絵本を探していて手にとった本。なんか既視感のある内容…たぶんロシアだかの民話だったと思う。「逃げ出したパンケーキ」みたいなタイトルだったかな?
パンケーキを追いかける人たちがどんどん増えていくところがおもしろい。絵も味があって好き。私が知っている話のオチはキツネだったと思ったけど、この話では最後にパンケーキを食べるのはブタでした。
「さあ、パンケーキもおしまい。このおはなしもおしまい」の文章にほんのちょっとだけブラック感が。……気のせいか。
しかしこのパンケーキ、人間が食べたらお腹壊しそうだ。
さか井美ゆき『つくろう・たべよう フルーツパンケーキ』
何色もの刺繍糸をミシンでていねいに縫い込んで作られた、おいしそうで美しいケーキの絵本。たくさんのフルーツを盛り付けて…最後にはとっておきのサプライズ!糸の立体感を触って確かめたくなる美しさです。
https://www.hikarinokuni.co.jp/publications/978-4-564-01093-4/
おいしそうな表紙に惹かれて手に取った絵本。読後は無性にパンケーキが食べたくなりました。この絵本に出てくるような、フルーツやクリームがたっぷりの!
イラストがミシンで刺繍されたものだと知って、驚いた。フルーツのつやとか素晴らしい。刺繍でこんな風に表現できるんだなあ。すごい!
和菓子が出てくる絵本
宇治勲『かっこわるいよ!だいふくくん』
「かっこわるいよ」と、わがしたちにいわれるだいふくくん。だけど、ねずみにおそわれたとき、たよりになったのはだいふくくんでした。
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-68546-5
タイトルと違って、中身はかっこいいだいふくくんの話。同じ和菓子仲間に散々「かっこわるい」と馬鹿にされるだいふくくんだけど、仲間のピンチにはその身を犠牲にしてまで駆けつける。なんというかっこよさ!
ねずみに触ったら売り物になれない、など、なかなかシビアなせりふも飛び出る絵本。だいふくくんが<いちごだいふく>だとわかった途端に意見をころりと変える和菓子たちに思うところがないわけでもないけれど、なんというか胸が熱くなる話だった。ねずみを退治しながらも、最後にはねずみに自分を与えるだいふくくんが男前。ラストページの一文がほんとにしんみり。話としてはやや長めかも。