坪田譲治文学賞受賞
大阪下町の中華料理店で育った兄弟は見た目も違えば性格も違う。人生の岐路に立つ、どこか不器用で誠実な2人をユーモラスに描く
(引用元 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167768027)
思わず脱力してしまいそうになるゆるーい表紙ですが、表紙のイメージから想像していた内容とだいぶ違った…笑
折り合いが悪く、あまり似てない兄弟が、兄のヘイスケの上京を切欠に自分のこと、将来について考える話。
章ごとに兄弟それぞれの視点で話が進み、恋愛、勉強、進路…とその年代の子らしい悩みが描かれてます。これぞ青春! って感じ。飾り気のない等身大のキャラが素敵でした。離れることによってお互いを知っていく過程とか、兄弟の歩み寄りというかさり気ない思いやりにぐっときました。なんだかんだで進路が逆に落ち着きそうなのがおもしろい。
テンポの良い会話が大阪弁と合わさって面白かったです。ラストのヘイスケの帰宅シーンはくすりとさせられつつも、思わずほろりとさせられました。爽やかな読後でした。すごく良かったです。
★単行本(絵:小池アミイゴ)
戸村飯店青春100連発/理論社/瀬尾まいこ
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