文字を食べる

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益田ミリ『スナックキズツキ』

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 傷ついた者しかたどりつけないという「スナック キズツキ」。都会の路地裏でひっそりと営まれているその店はアルコールは出さないが、それ以外のものはだいたい揃っている。

 店名が「キズツキ」なのがなんかいい。些細なことでみんな傷ついて、些細なことで私も誰かを傷つけているのかもしれない。ちょっと風変わりな店でのちょっと風変わりなママと過ごすちょっと風変わりな時間はささくれだった心を少しだけ癒してくれる。
 私はアルコール苦手なので、こんな店はいいなと思う。他人には見せない自分をつい見せてしまうママ。(ママ(トウコさん)の「いらっしゃい」の言い方なんか好き)なんかいろいろすごい。カラオケ、ピアノの弾き語り、エアギター、朗読、タップダンス…。ちょっとすっきりしつつ、みんな、なんでこんなことしてるんだろ? って思ってるところにくすっとする。

 作中のホットココアおいしそうだった。
 ドラマも見たけど、ドラマは食べ物を調理している場面が細かくておいしそうなんだよな。原作を結構アレンジしてるところもあるけど、あのドラマがいい感じのアレンジでおもしろかったな。

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