文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

原田マハ『ジヴェルニーの食卓』

  当サイトの記事には、広告・プロモーションが含まれます

集英社文庫

モネ、マティスドガセザンヌという4人の印象派の巨匠たちの、創作の秘密と人生を鮮やかに切り取った短編集。
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-745327-0


 マティスドガセザンヌ、モネ。印象派の巨匠と彼らを見つめる女性たち。
 絵画みたいに美しい描写、美しい話の中にある少しのせつなさ。映像が目に浮かぶようだった。フィクションであるはずなのに、まるで本当にあった話みたいに思えるのがすごい。料理描写の好きな私は表題作の「ジヴェルニーの食卓」が一番好きかも。
 美術館へ行って、絵が見たくなる。印象派の画家たちの苦労はなんとなく知っていたつもりだったけど、当時はかなり風当たりが強かったんだな。

収録内容とメモ

うつくしい墓 Interview avec Maria Magnolia

 マティスのもとでメイドをしていたマリアという女性を取材した風の話。きれい。マグノリア木蓮)って改めてきれいな響き。

ja.wikipedia.org

エトワール L' étoile

 ドガと交友のあったメアリー・カサット視点。踊り子の描写が生々しくエロティック。

ja.wikipedia.org

タンギー爺さん Le Père Tanguy

 ゴッホの描いた絵が自然と脳裏に浮かぶ。セザンヌに手紙を送るタンギー爺さんの娘。

ja.wikipedia.org

ジヴェルニーの食卓 À table à Giverny

 連れ子であるブランシュ視点。料理描写がいい。一番好き。



▼単行本