装画:秀良子
異人館が立ち並ぶ神戸北野坂の小さなカフェ「徒然珈琲」にはいつも、背を向け合って座る二人の男がいる。一方は元編集者の探偵で、一方は小説家だ。物語を創るように議論して事件を推理するシリーズ第1弾!
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当時、本屋さんで平積みされているのを見て買ったもの。日常の謎系かと思って読んだのですがちょっと違いました。幽霊が登場したり、ちょっぴりファンタジック(?)なミステリー。といっても、あんまり推理してるって感じではなかったなあ。この話の中でいう推理パートにあたるのは、作家と元編集者が手がかりという名の設定を拾って、辻褄が合うように意見を交換しつつ、話を作っていく(そしてできた話が真相的な)という部分なのですが、納得はできるけど根拠が薄いというか。二人のテンポのよいやりとりは好きなんですが。
今回は設定出しという感じで、物語の核心にはほとんど触れられてないような気がするので、今後書かれていくのでしょうか。二人が目指す紫色の指先が何なのか気になります。