装画:MICAO
さびしくて、あたたかい、すきとおるような味わいの童話集。これまで単行本未収録だったエッセイ「絵本と子どもと私」も収載。小学校中級から大人まで。
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=1264
どことなく物悲しい気持ちになる話が多かったような、そんな感じの童話集。(単にそういう話が印象に残っただけかもですが)どれも素敵な話でした。挿画の刺繍絵もかわいい。やっぱりこの方の作品好きだなあ。
以下メモ。
白いおうむの森
ちょっと怖いような、寂しいような話でした。ミーはインド人の男性と、おうむの森の人たちを案内して遠くの輝いた場所へ行ってしまったんだろうか。
銀のくじゃく
緑のくじゃくを描いた旗を織ってくれと頼まれた男性が、自分が織った旗のくじゃくに体も心も吸い取られてしまう、という話。ラストの男性の弟さんが森でくじゃくの旗を見つけた件がなんか物悲しかった。
小さい金の針
以前書いたと思うので割愛。
初雪のふる日
石蹴りの輪を見つけて追いかけていくと、いつの間にか前後に白い雪うさぎが。このまま石蹴りの輪を飛び続けていくと、いずれは自分も雪になってしまうという…となんだか怖い話。その回避方法の呪文のキーワードがよもぎというのがなんかいいなあと思った。春って感じがしますし。
ふしぎなシャベル
以前書いたと思うので割愛。
ひぐれのお客
↑に同じ。こんな裏地屋さんいいなあ。
(エッセイ)絵本と子どもと私
すごくいいエッセイでした。著者が息子と絵本を読んでいる、という内容。好きな絵本のこと、怖くなった絵本のこと、季節限定の絵本のことなどなど。寝る前に読む本を選ぶ方法だとか、温かな気持ちに。こういう本の付き合い方は素敵。