文字を食べる

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ヒュー・ロフティング『ドリトル先生と月からの使い』

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訳:井伏鱒二

昆虫語の研究に熱中していたドリトル先生のところに,ある晩,家くらいもある巨大なガがあらわれました.このガが月の世界から来たのだと知って,先生は月へゆく決心をします.
https://www.iwanami.co.jp/book/b269502.html


 「動物園」からの流れを汲んだような、雑種犬ホームでの犬のケッチによる波乱万丈ともいえるこれまでの話。また豊かな経験を持つジップの話。どれも面白かった。まげ髪テリアの挿絵かわいい。ケッチによる犬の自由についての話は少し考えさせられるところもありました。
 動物語を理解し、話すドリトル先生ですが、今作では虫語の研究をしています。出て来る機械がなんだかそれらしかったです。ハチやゲンゴロウが語る冒険譚も面白かった。虫ならではって感じで。
 そして、彼らの話、チーチーが語る伝説をふまえた上で、来るべくして来たという感じの月への旅行。昔読んだことがあるんですが、未知への冒険はやっぱりわくわくしちゃいます。月へ向かう方法もドリトル先生物語らしい方法。(私は巨大なガは勘弁ですが)酸素の問題も、酸素を出す花で解決してて物語として苦しくない展開ですごいなあと思う。そして夢がある。月編が楽しみです。


角川つばさ文庫

○角川文庫版