文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

秋目人『謀王』

  当サイトの記事には、広告・プロモーションが含まれます

装画:鳥越タクミ

 口先で騙り、金も力も愛も手に入れた少年フィッツラルド。ついに王座にまで手をかけた――と確信した刹那、気まぐれな運命は彼を嘲笑う。
 周辺諸国の謀略に巻き込まれ、その手から王座という宝が零れ落ちたとき、少年は再び死闘の海へと乗り出すことを決意する……。
https://mwbunko.com/product/311845300000.html


 読み終わってから気づいたんですけど、これ2作目なんですね。1作目読んでなくても内容はわかりましたが、地味にショックです。前作でリズや家臣たちとのあれこれがあったんでしょうか。まあ読んでしまったものは仕方ない。

 「謀王」というタイトルどおり、随所随所で心理戦というか駆け引きが繰り広げられており、読み応えがありました。武器をとらず、口先だけでもうまく進んでいくものですね。フィッツラルドの場合は口先だけというわけでもないんですが。
 しかし、王家のいざこざはややこしいですね。周囲も腹が黒い人ばかりで。何より主人公の腹が黒い。リズやセドリックとの探りあいにはどきどきさせられました。
 1つの国の歴史を見ているようでおもしろかったです。今回新たに3人の国王が誕生しましたが、今後どうなることやら。不穏な感じしかしませんね。