文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

高田郁『美雪晴れ みをつくし料理帖』

  当サイトの記事には、広告・プロモーションが含まれます

装画:卯月みゆき

名料理屋「一柳」の主・柳吾から求婚された芳。悲しい出来事が続いた「つる家」にとってそれは、漸く訪れた幸せの兆しだった。しかし芳は、なかなか承諾の返事を出来ずにいた。どうやら一人息子の佐兵衛の許しを得てからと、気持ちを固めているらしい――。
http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=4721


 一気に読みました。今回もすごく面白かった! 作り手の気持ちがたっぷり入った料理もおいしそうでした。つる家はお客さんのことをほんとによく考えてる良い店ですね。今巻ではつる家に新しくお臼と政吉が仲間入り。つる家にぴったりの人材で二人を寄越した柳吾の目の正確さには驚きます。政吉がちょこちょこふきちゃんに料理の手ほどきしてる様子がよかった。

 今まで辛いこと、苦労が多かった分、今回は幸せなことも多かったですね。芳さんと一柳の柳吾さんの結婚とか、芳さんと佐兵衛さんのこととか。「ひと筋の道」では美緒さん一家が大変な目にあったけど、無事出産されたみたいだし。あとは澪の悲願ですね。鼈甲珠で4千両、とても途方もないです。今回吉原で荒稼ぎしてたけど、うまく行くのか心配。でも、きっとびっくりするような方法でうまくやっちゃうのだろうと信じたいです。吉原での澪、摂津屋、伝右衛門のやりとりは楽しかった。澪もやるようになったなー。色んな人が見守ってきてくれたから、ここまでこれたんですよね。見守ってきてくれた人といえば、源斉先生の「食は、人の天なり」にははっとさせられました。今回、ちょっとどきどきさせられる展開が2人にありましたが、この2人もどうなるかちょっと気になります。
 次回でこのシリーズも最終回と思うととても寂しい。大団円になることを希望します。続きが気になる!

 

収録
 神帰月―味わい焼き蒲鉾
 美雪晴れ―立春大吉もち
 華燭―宝尽くし
 ひと筋の道―昔ながら
 特別収録 富士日和
 富士日和には、久しぶりのあの方が登場!

(2014.3.10の読書記録です)