文字を食べる

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高田郁『心星ひとつ みをつくし料理帖』

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装画:卯月みゆき

野江との再会、小松原との恋の行方は!? 「みをつくし料理帖」シリーズ史上もっとも大きな転機となる、待望の第六弾!!
http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=3933


 澪がいろんな選択を迫られる回でした。どっちも選ぶってことができないのが切ないですね。片方は諦めなきゃいけない。
 小松原との恋の行方に決着。澪の恋は実ったようなものだけど、嫁ぐためには武家奉公しなければならない。そのためにはつる屋の料理人をやめねばならない。今までがなくなっちゃう感じがしてそれは悲しい。つる屋のみんなも澪が報われたことを喜んでいて。でも、武家に嫁ぐとあれば野江ちゃんも…。野江ちゃんはいつも澪のことを考えてるんだなあ、というエピソードもあり、それが切ない。せっかく、ふすま越しではあれど話もできたのに。

 澪のゆるぎないもの。いつも大事なことを教えてくれるのは源斉先生なんだなあ、これもまた切ないですね。源斉先生はほんといい人すぎる。澪の恋も実ったようなものだけど、料理人として働くことはできないという。最終的な答えは次の巻か。澪には幸せになってほしいです。
 料理はやっぱりおいしそう。生麩はいろんな意味で失敗でしたけど。お弁当のアイディアがよかった。澪はほんとに周囲の人間にめぐまれてると思う。
 みをつくし瓦版もよかった。イラストかわいい。

 

内容
 青葉闇――しくじり生麩
 天つ瑞風――賄い三方よし
 時ならぬ花――お手軽割籠
 心星ひとつ――あたり苧環