新人司書の文子がこの春から配属されたのは、のんびりのどかな秋葉図書館。ススキ野原のど真中という立地のせいか利用者もまばら、暇なことこのうえない。しかし、この図書館を訪れる人々は、ささやかな謎を投げかけてゆく。季節のうつろいを感じつつ、頼もしい先輩司書の助けを借りて、それらの謎を解こうとする文子だが……。すべての本好き、図書館好きに捧げるやさしいミステリ。著者あとがき=森谷明子/解説=大崎梢
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488482022
本にまつわる話、特に図書館が舞台となっている話を探しているときに出会った本。
日常の中のミステリといった具合で、安心して読めます。図書館職員たちとお客さんたちのほのぼのとしたやりとりが微笑ましかったです。特に最初の話に出てきた少年たちとのやりとり!
話の中に色々と本のタイトルが出てきて、それが懐かしいものだったりしてまた読みたくなった。「クローディアの秘密」とか「床の下の小人たち」とか。
ミステリを求めてる人には物足りなく感じそうですが、楽しく読めました。登場人物たちはなかなかいい味だしてたし、主人公の本に対する気持ちには共感するところも多々ありました。ただ話の中での主人公の恋愛パートは、個人的には別になくてもいいなあと感じましたが。
ススキ野原がれんげ野原に変わるさまはさぞ綺麗だったんだろうなあ。
内容
第一話 霜降―花薄、光る。
第二話 冬至―銀杏黄葉
第三話 立春―雛支度
第四話 二月尽―名残の雪
第五話 清明―れんげ、咲く。
★単行本(装画:牧野千穂)