言葉から自由になりたい。物事の本質をつかまえるために、自分という生命を喜ぶために。『孝女白菊の歌』から『チャタレー夫人の恋人』、そしてフォークナーの世界へ。海流のように、竜巻のように渦巻き、再生しつづける物語の世界。言葉と人間、人間と物語、そのつながりには、希望を失わずに生きつづけようとする、ひとりひとりの人間たちの息吹がある。美しく静かな言葉で、著者は物語の意味を問い直す旅に出かける。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784121016782
太宰治を父にもつ小説家の書いた本。読書案内とありますけど、注意してもらいたいのが著者がお気に入りのオススメの本を紹介している本ではないということ。その点は本文中にも注意として書かれています。
じゃあこの本には何が書かれているのか。本の紹介ではあるんですけど、お気に入りを紹介しているのではなくて、著者自身が親しんできた本、興味を持った本等、テーマに沿って厳選された本が著者の思い出とともに書かれています。宗教に関連したものだとか、性への好奇心からのものだとか色々あります。タイトルにも「快楽」とありますし、そんな感じです。
内容の感想とはちょっとずれるかもしれませんが、南総里見八犬伝のことが少し書かれていて興味深かったです。
しかし、本を1冊読むだけに色々あったんだなあ。世界の違う話なのでそういう話を聞いてもなんとも思ってなかったのですが、ちょっと世間から歓迎されない作品を生み出したから暗殺ってそんな…。今自由に本が読めることって幸せなことなんだなとしみじみ思います。