文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

ライマン・フランク・ボーム『オズの魔法使い』

  当サイトの記事には、広告・プロモーションが含まれます

訳:幾島幸子
絵:W・デンズロウ

大竜巻に家ごと吹き上げられた少女ドロシーは,愛犬トトとともにふしぎな国へおりたつ.かかしやブリキのきこり,おくびょうなライオンが加わって,冒険の旅が始まる.アメリカファンタジーの古典.
https://www.iwanami.co.jp/book/b269587.html


 大まかな内容は知っているけれど、ちゃんと読んだことがなかったので、改めて読んでみました。読んでみて、初めて知った部分が多かった。空飛ぶサルなんて出てきたっけ? みたいな。それから、オズの正体とかすっかり忘れていました。

 小さな女の子1人と犬のトト1匹の旅、だと何かと危険も多いってものですが、途中で加わる旅の仲間が個性的。人間じゃないというところも、「おくびょうなライオン」といったように設定になんだか親しみが持てるところが、人を引き付けるのかも。ドロシーは感受性豊かで、素直。すごく愛らしい。旅の仲間も、町の人たちも彼女(やトト)には特に優しいような気がしました。

 オズの魔法使いに、かかしもきこりもライオンもそれぞれ欲しいものをもらったのですが、ドロシーの旅の中で、すでにその欲しいものは手に入っているように感じた。彼らもドロシーに負けずに優しい心を持っていると思う。
 それから、特徴(?)というのかはわからないけれど、東や西といったように、それぞれの地域によって特性があるのも面白かったです。青色ばかりの街だったり、赤だったり、と。色の表現も鮮やか。

 この作品は1900年にアメリカで発表されたものらしいです。オズの魔法使いは今でも愛されている作品ですが、なんだかその理由もわかる気がします。「不思議と驚きの物語(ワンダー・テール)」とても魅力的だと思います。


★他の出版社の装丁もかわいいので書影リンクを貼ってみる。
新潮文庫(訳:河野万里子、絵:にしざかひろみ)


○角川文庫(訳:柴田元幸


★こんな映画があります。オズの魔法使いの前日譚。