文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

岸本佐知子のエッセイ

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『ねにもつタイプ』

観察と妄想と思索が渾然一体となったエッセイ・ワールド。ショートショートのような、とびっきり不思議な文章を読み進むうちに、ふつふつと笑いがこみあげてくる。
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480814845/


 どこまで実話でどこから妄想なのだろう。そんな風に考えた読後でした。
 簡潔に一言で言えば、おもしろかった! これにつきます。思わず笑いが漏れることが多々。アイスクリームの食べ方が似てるなあ、とか犯人の「訳のわからない供述」が気になるとか、その他もろもろ、わかるなあと思うことも多く楽しく読みました。著者の子ども時代の思い出話もよく書かれていたのですが、その出来事に自分の小さい頃のことを思い出したり、懐かしい気持ちに。この著者の本は初めて読みましたが、他の本や訳書なども読みたくなりました。
 あと、エッセイの各話に添えられた挿絵も話にあっていて素敵でした。

★単行本

 

 

 

『なんらかの事情』

装丁:クラフト・エヴィング商會

エッセイ?妄想?それとも短編小説?……そんなことはどうでもいい!翻訳家、岸本佐知子の頭の中を覗くような可笑しなお話の世界へようこそ!
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480433343/


『ねにもつタイプ』が面白かったので、こちらも読んでみることに。期待どおり、今回もおもしろかったです。この著者の物事に対する着眼点がおもしろいと思う。なんでこんなこと思いつくんだろう、気になるんだろうと思うこと多数。ひらがなのこととか、瓶のこととか、身だしなみのこととか、レモンのこととか。いろんなところで笑いがこぼれたけど、アロマ生活のことを書いた話の突然の「ごわす」の登場には思わず噴きました。