文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

京極夏彦『姑獲鳥の夏』

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この世には不思議なことなど何もないのだよ――古本屋にして陰陽師(おんみょうじ)が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第1弾。東京・雑司ヶ谷(ぞうしがや)の医院に奇怪な噂が流れる。娘は20箇月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪したという。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000197972

 どうも文庫版(ノベルス版?)だと厚くて読みづらそう…というのがあって、なかなか手を出せずにいましたが、分冊文庫版で登場ということで読んでみました。本当はこういうのは一気に読むのが一番いいんでしょうけれど…。

 上巻を読む限りでは、ミステリというよりもホラー(というかオカルト)の要素の方が濃いんじゃないかとも思いますが、全部読んでみないことにはわかりませんね。感想は下巻でまとめて書きます。梗子さんのいる部屋の中に牧朗さんがいたりしてー、なんて予想していたりしますが、もしそうだったらそれこそオカルトですね。だって、それならどうして関口さんは気づかないんだ? 私の予想だからあてにならないけれど、でもあの部屋しかない気がします。
 キャラがいい味出してるなと思います。個性的。榎木津さんが気になります。なんかもう清清しいです、あの方。

 

 おもしろかった! 難しい漢字や表現があったりしましたが、読みやすい文章でした。
 魅力的な登場人物がやっぱり良いですね。それぞれ違う変わった能力を持っていて、また違う役割を持っています。それに考え方も色々。京極堂は科学も幽霊も否定してますし。どっちだよ! と思いますが、そこがキャラが持つ味というわけで。とにかく個性的。
 話の方も謎が謎を呼ぶといいますか。やっと核心をついたと思えば、またわからなくなってきたり…と最後まで何が起こるかわかりませんでした。大体予想は当たっていましたが。見えているはずのものが見えないというのは、精神的なものだったということでいいんですかね。心理的な問題は自覚がなかったりすることが多いからなんだか難しいです。関口さんに関しては読んでる最中にどうしても悶々と考えてしまう部分があったのですが、解決してよかったです。

 キャラは、榎木津さんが好きかもしれません。あんまり活躍はしなかったし(彼は探偵だけど京極堂がその役割みたいですね)ちょっと、いやかなり変わってるけど基本は良い人ですよね。

 

★コミック版。志水アキさんの絵好き。