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大崎梢『配達あかずきん 成風堂書店事件メモ』

装画:丹地陽子

近所に住む老人から託されたという、「いいよんさんわん」謎の探求書リスト。コミック『あさきゆめみし』を購入後失踪してしまった母親を、捜しに来た女性。配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真……。駅ビルの六階にある書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵が、さまざまな謎に取り組む。元書店員の描く、本邦初の本格書店ミステリ! シリーズ第1弾。解説=戸川安宣
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488487010


 元書店員の著者による、書店が舞台の、書店にまつわるミステリー。本好きにはたまりません。1話目ですぐに引き込まれて一気に読みました。おもしろかった! 
 書店での仕事とかも細かく書かれていて、こんな仕事をしているんだなあと興味深く思いました。書店を舞台に起こる日常の謎も、書店ならではのものがあっておもしろい。「パンダは囁く」の推理のポイントなんかまさにそれで。

 話のタイトルだと「標野にて 君が袖振る」が素敵。内容もそれにぴったりで、ほろりとする反面「会いみての のちの心にくらぶれば」の歌を返歌としてチョイスする高校生男子におお! と感嘆してしまいました。読後感はいいけど、なかなか切ない話です。

 話としては「六冊目のメッセージ」が特に好きです。入院していた女性のために、本を見繕っていた男性の正体とは。ロマンティックといいますか、ほんと素敵な出会いだと思う。こんなのちょっと憧れちゃいますね。無事出逢った二人は果たして…。良いカップルになりそうですが。
 登場人物のキャラも良かったし、役割もちゃんとしっかりしてたように思うし、安心して読めました。また次の話も読みたいです。

収録話
 「パンダは囁く」
 「標野にて 君が袖振る」
 「配達あかずきん」
 「六冊目のメッセージ」
 「ディスプレイ・リプレイ」


ミステリ・フロンティア版(表紙写真:WONDER WORKZ。)

配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)

配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)

  • 作者:大崎 梢
  • 発売日: 2006/05/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


★コミック版