文字を食べる

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森博嗣『すべてがFになる』

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孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)と女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000198009


 著者のデビュー作。S&Mシリーズの第1作目にあたります。裏表紙で4人の作家さんがこの作品に対してコメントをつけてますが、まさにその通りだなあと思います。理系な本格ミステリ。文系の私には専門用語がちょっと難しかったです。ちんぷんかんぷん。(※ノベルス版)

 話は淡々と語られていて、どこか無機質な印象も持つのですが(哲学っぽいところとかも)随所随所にユーモラスな面も含まれています。犀川さんと萌絵の価値観の違いなど。
 死体の登場シーンにはほんと驚きました。想像すると、とても不気味で肌が総毛立つような感じ。ウエディングドレスというのがまたなんとも不釣合いではありませんか。そんな死体が現れたのは密室。ミステリ好きにはたまらない環境下ともいえます。
 犯人はなんとなく予想はしてました。トリックの鍵になるものがそれとなく解かりやすく書かれていますし。でも、ラストの部分では犀川同様やられたなあって思いました。彼女の頭脳に敵う人なんているんですかね。警察の尾行含むその他もろもろの事は彼女の想定の範囲内ってことだったんでしょうか。事件のことは範囲外だったとして。

 事件の真相が気になるばかりに一気に読んでしまいました。また、登場キャラもクセがあって魅力的です。萌絵は好き嫌いがわかれそうですが…。
 いろいろインパクトがあった。おもしろかった!


★コミック版

 

★ノベルス版

 

★ゲームもあるよ。マルチエンディング。