文字を食べる

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白川紺子『下鴨アンティーク アリスと紫式部』

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装画:井上のきあ

京都、下鴨−−。高校生の鹿乃は、旧華族である野々宮家の娘だ。両親を早くに亡くし、兄の良鷹と、准教授をしている下宿人の慧と三人で、古びた洋館に住んでいる。アンティーク着物を愛する鹿乃は、休日はたいてい祖母のおさがりの着物で過ごす。そんなある日、「開けてはいけない」と言われていた蔵を開けてしまう!すると、次々に不思議なことが起こって…!?
http://orangebunko.shueisha.co.jp/book/4086800047


 着物にまつわる謎を解く、ミステリーのようなファンタジーのようなちょっと不思議な物語。登場人物たちが落ち着いているためか、物語の雰囲気も落ち着いていて、安心して読めた。
 主人公と下宿人の間の家族愛のような、ほのかな恋のような、はっきりしないもどかしい感じが結構好みでした。最後の話のおばあちゃんの恋の話も可愛かった。好きになるのが怖いとか、いじっぱりなところとか、主人公の恋の話よりもどちらかというとおばあちゃんの恋の話の方が気になります。
 食事の献立と着物の描写にこだわりを感じました。おもしろかった。


★コミック版
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