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北方謙三『水滸伝』

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 北方謙三著『水滸伝』の読書記録をまとめました。
 幻想水滸伝にハマったことをきっかけに読み始めたもの。
 かなり古い記録です。9巻まで。

北方謙三水滸伝

水滸伝1 曙光の章』

水滸伝 一 曙光の章 (集英社文庫)

水滸伝 一 曙光の章 (集英社文庫)

北宋末期、汚濁しきった政府を倒すため、立ち上がった漢たちがいた――。北方謙三が描く壮大な革命譚、ついに文庫版刊行。司馬遼太郎賞受賞作。
http://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=4-08-746086-X


 歴史小説は読み慣れていないのですが、読みやすかった。
 世直しのために、志を同じとするものたちが各地から集まり、心を1つにしていく。時には迷い、自分の非力さを嘆きながらも目的のために行動を起こす。熱い話です。男たちの物語だけど、それを支える女の姿も印象強い。特に王進(おうしん)の母や林冲の妻・張藍(ちょうらん)などは忘れてはならない存在だと思う。

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水滸伝2 替天の章』

水滸伝 2 替天の章 (集英社文庫)

水滸伝 2 替天の章 (集英社文庫)

腐敗混濁の世を糺すため、漢たちが集う――。
宋江梁山泊を叛乱の拠点にするため、林冲を送り込む。そこは王倫らの根城となっていた。かつて世直しの志を持ちながら、今はただの盗賊へと堕落した王倫に対し、林冲は――。(解説/大沢在昌
http://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=4-08-746094-0


 同志も増えて、いよいよ本拠地を手に入れるという段階に。林冲がまず安道全とともに本拠地にしたいと考える山塞へ潜入。やっぱり安道全は医療のことばかり考えていましたが。

 林冲・安道全・白勝を見ると、男の友情ってのもいいなと思う。今回新たに仲間になった公孫勝の考える致死軍はかなりの戦力。「替天行道」への道も一歩一歩近づいてます。あと山塞を手に入れる際の、王倫暗殺は鮮やかなものでした。王倫は志を説きながらも実行に移さないという臆病なやつでした。それにしても、何回も暗殺しかけられてもそれを(なんとか)かわす林冲って…。思っている以上に強いんだなあ。

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水滸伝3 輪舞の章』

水滸伝 三 輪舞の章 (集英社文庫)

水滸伝 三 輪舞の章 (集英社文庫)

昇華する反逆の賦、裂帛の北方水滸、第三巻。
楊志は、二竜山の賊に破壊された村から孤児を拾い、楊令と名づけた。そして賊の討伐に向かうが――。一方、少華山の史進は、頭目として活躍していたが、心に弱さを抱えていた……。(解説/逢坂 剛)
http://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=4-08-746103-3


 なかなか盛り上がってきました! 今回は軍師という立場にある呉用や元軍人である楊志がよく活躍していた。あとは前回落ち込んでしまった武松が生まれ変わったというか、何か乗り越えたようで何より。厳しくとも、人間らしい温かみを持つ楊志が好き。

 統治するのに序列を作ることのことだけど、札に名前を書いて並べるそう。そして、戦死したものの名前はその札の裏に赤い字で名前を書く、と。これ、ゲームの幻想水滸伝も似たような感じだったなーと思い出します。
 敵側の青蓮寺もとうとう本腰入れて討伐に取り掛かるようなので、これからの展開が気になるところ。

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水滸伝4 道蛇の章』

水滸伝 四 道蛇の章 (集英社文庫)

水滸伝 四 道蛇の章 (集英社文庫)

さすらう宋江の、苛烈なる旅路。
宋江は旅の途中、人を殺して追われている李逵に出会う。純粋な心を持つ李逵に訪れた悲劇とは。一方、青蓮寺は馬桂を梁山泊への密偵に仕立て上げようとしていた……。(解説/池上冬樹
http://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-746114-5


 前の巻で妾殺しの罪を着てしまった宋江だけど、青蓮寺の策略によってその妾だった閻婆借の母・馬桂は事実とは程遠い嘘を信じてしまう。そして、馬桂は梁山泊と敵対している青蓮寺の間者となった…。そんなことは露知らず、暢気に旅をしている宋江を歯がゆく思う(同志が増えるのはいいんですが)。思わぬところで足元を掬われそうでなんか心配になります。

 李富が楊志を抹殺するということで、そちらにも馬桂が動いているのが気になります。楊志、なんだかほんとに途中で死んでしまいそうだ。李富なんかにはやられないと思うんだけど、またこれも別の落とし穴で。済仁美・楊令と血のつながりはないけど、一緒にいる時間は幸せみたいなので1人でもかけたらと思うと胸が痛みます。読んでいない先の話の心配したって仕方ないんですけど。

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水滸伝5 玄武の章』

水滸伝 五 玄武の章 (集英社文庫)

水滸伝 五 玄武の章 (集英社文庫)

花和尚・魯智深、極北の地に死す。
遼で囚われの身になった魯智深。鄧飛が命を懸けて救出に向かうが――。一方、青蓮寺は楊志の暗殺を企んでいた。休息の時を狙い、150名の闇の兵が急襲する。北方水滸、緊迫の第五巻。(解説/志水辰夫
http://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-746124-4


 なんとなく前巻から予感はしていたのですが、楊志好きなキャラだったんだけどなあ。犬につけさせるなんてうまく考えたなと思う。それを悟ったとき、楊志はどんな思いだったんだろう。自分を哂っただろうか。それでも、妻と子供を怒るということはしなかった。矢を全身に浴びても立っていたのは、誰かが来るまでは安心できなかったからだろう。彼はかなりの立場の人で、失ってはならない人だったけど、最期まで妻と子供を守ろうとした立派な男でした。部下たちが慕うのもよくわかります。

 女真族に捕まっていた魯智深の話もいろいろすごかった。鎖が取れないから自分の腕を鎌で切り落とすという…。彼の精神力、梁山泊に寄せる思いに驚きです。もちろん鄧飛の執念にも。だって彼がいなければ魯智深は生きてなかったかもしれないのだから。

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水滸伝6 風塵の章』

水滸伝 6 風塵の章 (集英社文庫 き 3-49)

水滸伝 6 風塵の章 (集英社文庫 き 3-49)

霹靂火秦明、矜持を胸に道を択ぶ。
楊志を失った梁山泊は、後継者として官軍の秦明に目を付ける。説得にむかった魯智深の秘策とは。一方、叛乱への対策を強化するため、蔡京は青蓮寺に聞煥章を送り込んだ――。(解説/吉田伸子
http://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-746133-6


 楊志暗殺後、二竜山・桃花山の総指揮を任されたのは林冲林冲は総指揮以外にも楊令の剣の立会いなんかもしていた。1人前の男としてみているってことだけど、やっぱり子供相手に…と思ってしまう。
 そんな林冲の代わりに総指揮に入ってたのは青洲の将軍の秦明。この人が同志になることで、かなりの力が梁山泊に入ったと思う。清風山の塩の道を守るための官軍との戦に勝ったのも、この人の力がかなり影響されているかと。同志を敵側に残しておくというのは、よい考えというか、先を見越していたんだなあと。芯のまっすぐな人だと思う。

 楊志が暗殺されて、次の青蓮寺の標的は軍師・呉用のもよう。うーん、なんか心配。だって、この人いないとなんか一気に崩れそう。こう全体を見通して何か指示する人がいなくなってしまうというか。まあそのために阮小五を軍師として育てているんだろうけど。次の巻辺りになってしまうのかなあ。前のときもそうだったし。早く馬桂がもう同志ではないってことに気付いてほしい。
 心配といえば、洞窟で止まっている宋江たちも。この人こそまだ死んではならない人だと思う。従者の数も増えたから前よりも安心だけれど。林冲が二竜山から梁山泊に戻るときに、楊令を抱きしめた、という件が妙に印象的だった。

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水滸伝7 烈火の章』

水滸伝 7 烈火の章 (集英社文庫 き 3-50)

水滸伝 7 烈火の章 (集英社文庫 き 3-50)

雷横、空を翔ける虎となる
一万を超える官軍が、宋江たちを包囲した。そして火攻めを開始する。救出に向かった雷横、朱仝、そして梁山泊軍は間に合うのか。一方、青蓮寺は史進率いる少華山の殲滅を目論む…。(解説/縄田一男
http://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-746144-2


 もうヒヤヒヤさせられっぱなしです。なんかもう色々どちらも動いているようで、死者も結構出てます。出会いあれば別れありですね。今回も2人亡くなってしまったし。1人は宋江の身代わりになり、そしてもう1人は戦の最中に。あと、もう1人亡くなってしまったかもしれない人がいるんだけど、はっきりと書かれてなかったからどうなんだろう。次巻っぽいです。

 今回は包囲された宋江たちの話がメインかと。(そして梁山泊入り)1万もの軍に堪えられたのは陶宗旺の力が大きいです。すごいな、石組み。あとは、史進たちの少華山放棄でしょうかね。必要なことだったんだろうけれど、犠牲が多かったな…。

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水滸伝8 青龍の章』

水滸伝 八 青龍の章 (集英社文庫)

水滸伝 八 青龍の章 (集英社文庫)

 祝家荘の戦のところは緊張感があるというか、梁山泊にとってはきついものがあったけど、おもしろかった。でも、それまでの犠牲はやはり…。せっかく仲間が増えたというのに。二重の間諜をやっていた馬桂が死んで、ちょっとほっとしてしまった。だけど、薬草をとるために崖を降りようとしたり、部下たちを逃がすために敵を止めようとしたり、敵の頭を押さえようとして罠にはまってしまって、命を落としたり…。うーん、わかってはいるけど、どんどん死んでいきますね。この巻でも5、6人は散ってるんじゃないでしょうか。どの人も好漢なので、惜しいですね。呉用も犠牲の数に憤ってるみたい。それにも関わらず、不安を見せない宋江はやっぱり何か違う。

 祝家荘での戦いが一段落ついたところですが、林冲の動向も気になるところです。本人は自分1人の命くらい、と軽く見ているけど、梁山泊にとっては違う。敵勢力の青蓮寺だって、林冲がいなくなればと思ってるみたいだし。奥さんのことが心配のようで単身で助けにいったみたいで、罠とかがないかいろいろ心配になります。

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水滸伝9 嵐翠の章』

水滸伝 9 嵐翠の章 (集英社文庫 き- 3-52)

水滸伝 9 嵐翠の章 (集英社文庫 き- 3-52)

林冲、戦陣を放棄し、妻の救出に向かう
林冲は、妻を救出するために勝手に戦線から離脱した。そこに待ち受けていたものとは――。一方、廬俊義と柴進の身元が割れ、官軍に包囲された。鄧飛がふたりの救出に向かう。(解説/馳星周
http://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-746164-0


 目立ったのはやっぱり林冲でしょうか。妻が生きている、たいした確証もないのに単身で助けに向かうなんて、無謀だけどかっこいいと思います。前回危惧したとおり罠でしたが。安道全が全力で治療しましたが、なんというか素直じゃないなあと思う。本当はものすごく心配だったくせに、憎まれ口ばかり。それを言うと公孫勝もだけど。

 あと、もう1つの見せ場は鄧飛のところでしょうか。今回はラストの方まで誰も死ななかったので、大丈夫なのかと安心したのに、まさかラストでくるとは。(大抵はラストなんですが)同志を助けるために、身を粉にする姿は感動です。でも、私は語り継がれたいがために無謀なことはできません。楊林と同じような気持ちです。

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幻想水滸伝。大好きなシリーズだけど続編は望めないだろうな…。

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  • 発売日: 2009/11/05
  • メディア: Video Game