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太田忠司『誰が疑問符を付けたか?』

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平凡な住宅地での殺人事件。殺害現場はかなりシュールだった!?女優以上に美人なくせに「県警の鉄の女」と畏れられる景子警部補と、新進イラストレータの新太郎の、京堂夫妻シリーズ最新作!
https://www.gentosha.co.jp/book/b955.html


 合計8つの短編で構成されてます。タイトルが「誰が疑問符を付けたか?」とあるだけに、全部の話の最後に「?」が付いていたり、とちょっとした拘りが見えて面白いです。各話のタイトルはそれぞれ話の肝になる部分だったりするんですが、他にもなんかあるんですかね。どこかで聞いたことがあるような……。3番目の「なぜ庭師に頼まなかったのか?」はアガサ・クリスティの「なぜエヴァンズに頼まなかったのか?」を思い出す。

 鉄女と恐れられる景子が、夫の新太郎の助言を得て、事件の謎を解明していく形で話は進んでいきます。主に出てくるのは景子さんの方ですが、新太郎は良いとこどりって感じですね。話の中ではあんまり目立たなくて、主夫している描写の方が多いのに。現場の刑事たちには氷のような冷たさなのに、新太郎に対してはデレデレな景子さんがなんだか微笑ましかったです。あの様子を現場の刑事たちが見たらどうなるんだろう。幻でも見てるんだ、って思っちゃうんでしょうか。
 手軽に読めるミステリー。シリーズものと知らずに読みましたが、十分楽しめました。京堂夫妻の活躍が気になるので他のシリーズも読みたいです。

★文庫版。改題されています。