文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

松谷みよ子『日本昔ばなし やまんばのにしき』

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絵:梶山俊夫

 松谷みよ子さんによる昔話の再話集。口語体で書かれているので、人によっては読みづらいと思うかもしれない。でも、それが味があっていいなと思う。
 十五編の話が収録されていますが、なかでも印象に残ったのが「山男の手ぶくろ」。藤つるで編んだ大きい手袋を飲め、と山男は命じるんですが、いざ手袋を飲まれたときの山男の反応がなんともいえず…。ほんとに、死の間際、山男は何を言おうとしたんだろうかと考える。あの手袋は山男にとって、なんだったのか。
 あと、もう1つ。「おにの目玉」も印象に残ってます。幸せな結末になりそうだったのに、そうならなかったところとか。最後の寒々しい描写が妙に寂しかったり。

収録話
 やまんばのにしき
 山男の手ぶくろ
 イタチの子守うた
 竜宮のおよめさん
 かちかち山
 舌切りすずめ
 おにの目玉
 ねこのよめさま
 七男太郎のよめ(鉢かづきと同じ)
 六月のむすこ
 三人兄弟
 弥三郎ばさ
 沼神の使い
 死人のよめさん
 雪女
 赤神と黒神