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汀こるもの『完全犯罪研究部』

完全犯罪研究部 (講談社ノベルス)

完全犯罪研究部 (講談社ノベルス)

絵:一橋真

ミステリについて語り合い、校内で発生した事件を推理する醍葉学園“推理小説研究部”。だが顧問教師・由利千早は就任早々知ってしまった。部員・杉野更紗の姉を殺した犯人をはじめ、悪人の始末を目論む「裏の部活動」を。日夜、完全犯罪テクを研究する部員たちはそれを武器に大暴走。由利先生に彼らの正義を止める手立てはあるのか? そして彼女たちを襲う命の危機!!
(引用元 http://kodansha-novels.jp/1003/01/index.html


 すごく不穏な響きなタイトルなのに表紙はなんだか可愛らしい。ページ捲れば、表紙のイラストからは想像できないようなギャップのある内容が。恐ろしい高校生たち!
 中二病炸裂というか(高校生だからちょっと違う?)、なんというか妙な方向へのパワーがすごかったです。研究部のキャラがまたみんな個性的で曲者そろい。あまりの個性に前半はキャラがつかめなくて、色々把握するのが大変でした。でも古賀くんの謎に近づいたり、杉野二号の姉殺しの核心に迫ったりの後半はかなり盛り上がってたように思う。

 思春期というか、あれぐらいの年頃の危うさというか、世の中に対する見方とか怖いもの知らずな感じのところとか、そういうのにヒヤヒヤしながら読みました。でも、仲間のために全力で動いたり(ただ自分が楽しみたいだけ、とかそういう部分もあったのだろうが)自分に正直に行動してみたり、自分の興味あることに色々注ぎこんだり、そういう面ではとても輝いて見えた。無茶苦茶ではあるけど楽しそうというか。

 常識で測れない子たちばかりだったけど、どうも憎めませんね。根元の部分はやっぱりいい子たちだし。由利先生も決して完璧ではなく人間臭い部分を持っててなんか良かった。こういう先生だったから、あの研究部の子らともやっていけたんだろう。杉野二号の姉殺しの犯人もわかり(解決編が唐突に来た気がして思わず読み返してしまった)、古賀くんの素性もわかり、とりあえず話としてはうまく終わりましたが確か続編ありますよね、これ。どう繋げるんだろう。由利はラストの屋上戦線の行動で教員免許失っているし、推理小説研究部もなくなってしまったというのに。

 ところどころの小ネタにくすりとしながら楽しく読みました。そういえば、作中に登場した古賀の知り合いキャラが作者の他シリーズの登場人物だそうで。世界観を共有してるみたいですね。そっちのシリーズも面白そうなので、また読みたいです。