文字を食べる

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山口仲美『犬は「びよ」と鳴いていた 日本語は擬音語・擬態語が面白い』

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(前略)
――英語の三倍・一二〇〇種類にも及ぶという日本語の「名脇役」擬音語・擬態語の歴史と謎を、研究の第一人者が興味深く解き明かす。
(引用元 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334031565


 日本人は日常的に擬音語・擬態語を多用し、その音の感じや形だけで意味を理解しています。これが、海外の人達にはなかなか難しいようす。日本語の擬音語・擬態語は数多くあり、その大半は辞書に載ることもありません。ともなれば、外国の方達が意味を理解するのが難しくなるのも解るわけで。たとえば、これはどういう意味なの? と聞かれたとして、理解してもらえるように説明するのはとても難しそう。

 擬音語・擬態語のかたち、寿命(今でも残っているものはどれくらいか)などについて書かれた本。結構、昔からのものが今でも残っているんですね。形も昔から使われているABAB型(「カラカラ」「キラキラ」)が多いようです。

 面白いと思った部分はやっぱり題にもあるように、動物達の鳴き声。犬が「びよ」と鳴いていた? 訳わかんないと思っていましたが、資料をもとに丁寧に順に解き明かしているので、わかりやすいです。時代によって動物の鳴き声の聞き取り方が違うから、その表し方も変わってくる。現に今は犬の鳴き声をいえば「わんわん」ですし。あと、昔はその鳴き声を掛詞にして、他の意味も表現しているそうです。猫の鳴き声1つに男女の関係が表されていたり、ももんがが化け物扱いだったり面白い!
 改めて擬音語・擬態語は奥が深いなと感じました。日本語学に興味ある方(特にオノマトペ関係)におすすめ。