山本兼一著、『刀剣商ちょうじ屋光三郎』シリーズの読書記録をまとめました。
日本刀がでてくる小説を探して読み始めたこのシリーズ。続編がもう見られないのが残念です…。
装画:村上豊
『刀剣商ちょうじ屋光三郎』シリーズ
『狂い咲き正宗』
命をやりとりする刀に魅せられた光三郎。駆け引きたっぷりの裏世界、町人たちの人情、心意気を直木賞作家が描く。幼いころから、刀がもつ摩訶不思議な美しさに憑かれてきた光三郎。将軍家の刀管理を司る御腰物奉行の長男に生まれながら、名刀・正宗を巡って父・勝義と大喧嘩をし、刀剣商に婿入りする。ある日、絶縁したはずの父が弱り果てて訪ねてくるが……。親子、夫婦、師弟の人情をじっくり描く時代小説。
(引用元 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000205761)
舞台はペリーが来航したあたりの日本。刀剣商に婿入りした主人公とその周辺の人々による刀をめぐった人情話。
剣豪小説ではなく刀屋さんの話、というのがなんだか珍しい感じがします。刀がメインなだけに、刀の薀蓄がとても興味深く、また刀の描写も丁寧で良かったです。剣相なんて言葉はじめて聞きました。刃文で吉凶を見るとかなんとかということで、おもしろい。日本刀のことがもっと知りたくなります。刀に興味ある人にはおすすめです。
話によって、ミステリじみてたり、しっとりしてたり、すかっと爽快だったり方向性が違っていて飽きさせないつくり。1話完結型なので、気楽に読めるのもいい。文章も読みやすかった。登場人物も生き生きとしていて良かったです。光三郎とゆき江のやり取りは結構好きです。嫉妬は若干面倒くさいですが、あれくらいなら可愛いものかも?
内容
狂い咲き正宗
心中むらくも村正
酒しぶき清麿
康継あおい慕情
うわき国広
浪花みやげ助広
だいきち虎徹
★単行本の表紙、刀がなんかかっこいい。
『黄金の太刀』
偽の小烏丸をめぐっての一騒動! 詐欺師の白石瑞祥を追って、日本刀五か伝の地(相州、美濃、山城、大和、備前)を旅する。
気軽に楽しめる内容。今回もおもしろかった! でも、光三郎の旅の仲間である田村庄五郎はあんまり好きになれなかったです。性格的な問題ですが。
日本刀好きはとても楽しめると思う。色々な日本刀の知識が出てきて良かったです。
★単行本