文字を食べる

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工藤直子『ねこ はしる』

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のろまでドジだけれど気持ちの優しい、子猫のラン。
池の魚と仲よしになって、いつしか二人は心を通わせ、ともに成長します。
(引用元 http://www.dowa-ya.co.jp/books/poem/enjoy/nekohashiru.html


 気弱な猫のランと、強がりな魚の友情の物語。
 猫としてダメダメなランや、ランと魚の友情を見守る周囲の動植物、そして太陽や夕日の視線が優しく温かかった。猫と魚の友情なんて成立しなさそうなのに、仲の良い2匹は読んでいて微笑ましかった。2匹はどんな話をしていたのだろう。哲学的な感じの話でしょうか。自分が何者かわからないということは、何にでもなれるんだ、という感じの言葉が印象的でした。
 猫たちによる魚とりの話はつらかった。こんなに仲良しなのに、悲しすぎる。ランと魚の決意の場面には不覚にも涙腺がゆるみました。ふたりはいろんな意味で一緒になったわけだけど、やっぱり寂しいですね。