文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

安房直子『見知らぬ町ふしぎな村 安房直子コレクション2』

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絵:北見葉胡

 童話集。すごく好きな感じでした。なかには読んだことあるようなデジャヴを感じる話も。昔読んだことがあるんだろうか…。他の作品も読みたいです。今回収録されている話の中では「遠い野ばらの村」「海の館のひらめ」が好きです。
 以下、自分用の話のあらすじまとめ。感想はほとんどないので注意。あんまりまとまってません。文の量にバラつきあり。

魔法をかけられた舌

 父親を亡くした青年・洋吉が、父親の料理をものにするという条件で小人からどんな料理の味もよくわかる魔法を舌にかけてもらう。しかし、青年は小人の約束を守らずに…。

空にうかんだエレベーター

 ショーウインドーに飾られたうさぎのぬいぐるみがお気に入りのともちゃん。しかし、店の人から近づくなと言われてしまう。そんなともちゃんにうさぎが語りかける。満月の夜に会いましょうと。そしてふたりは満月の夜にこっそり会って…。

ひぐれのお客

 ボタンや糸、裏地を売っているお店が舞台。ある冬の日の日暮れとき、真っ黒な猫がお客としてやってくる。猫は厳しい冬を越すためにマントの裏地がほしいという。赤い色の。しかし、それはただの赤ではなく、ストーブの火がいいという。難しい注文に店主の山中さんは…。

ふしぎな文房具屋

 変わった品物ばかり取り扱っている文房具屋さんにある日、小さな女の子がお客さんとしてやってくる。なんでも消える消しゴムがほしいという女の子。女の子は大切な猫が死んでしまい、その悲しみを消したいと思っているのだった。

猫の結婚式

 ある日、ぼくはよく世話をしていたのら猫のギンから結婚式の案内状をもらう。言われるままに結婚式場に向かったぼくは、ギンの相手の花嫁を見て驚愕する。花嫁はぼくの家の猫・チイ子だったのだ。「お父さん」と呼ばれるとおり、最初は父親の如く反対していたぼくだったが、式に参加するうちに考えを変えていく。式にでてくる料理がおいしそう。
 ハプニングで結婚式は中断、猫たちも散り散りに。しばらくした後、チイ子から一通のハガキが届く。謝罪と近況。しめくくりの言葉は「あなたも、はやくおよめさん、もらってください」。ちょっと胸が痛くなるな笑

うさぎ屋のひみつ

 とても可愛く気立てがいいが、なまけものの奥さん。そんな彼女のもとに、夕食宅配サービスを承るうさぎ屋と名乗るうさぎがやってきた。うさぎ屋は会員制、支払いは月はじめにアクセサリーを渡す。そうして、おいしい料理が一ヶ月提供されたのだが…。

青い花

 かさ屋の若者が雨の日に小さい女の子を見かける。傘も差さず、雨に濡れている女の子に若者はかさを作ってあげることにする。女の子が選んだきれで作った傘は立派な青い雨傘だった。

遠い野ばらの村

 空想の中の息子や孫のことを話してばかりのおばあさん。そんなおばあさんのもとに本当にその空想の孫娘がやってきた。女の子はお父さんが作ったという石鹸を持ってきて、おばあさんの店で売ってほしいという。
 たぬきかわいい。野ばらのまんじゅう気になる。野ばらに香りが漂ってくるような話。

秘密の発電所

 夜、暗い峠で帰り道を見失っていると道を照らすように次々にゆりの花が白く光り出した。そうして歩いていると<わたし>はカエルに話しかけられる。カエルによるとゆりの花は水力発電所から電気を送られて光っているのだという。

オリオン写真館

 写真館で働く猿のオリオンが、主人からカメラを一台わけてもらい独立を宣言。(オリオンは写真師になりたくて弟子入りしたのだが、主人は商売に使える、ということしか考えてしなかった)道を歩いていると小学校の前に出る。小学校は入学式。オリオンはそこで初仕事を行う。オリオンの写真屋は大繁盛したが、カメラをあけるとフィルムが入っていなかった…。

海の館のひらめ

 レストランアカシアで働く島田しまお。つくること、食べることが大好きで、一人前の料理人になりたいと一生懸命に働くが、ずっと下っぱのまま。もうやめよう、しまおが考えたとき、小さな励ます声を聞く。それは調理前のひらめのものだった…。
 骨だけになっても水の中で泳ぐ魚の映像を思い出しました。

ふしぎなシャベル

 誰もいない公園でおばあさんが忘れ物らしい小さなシャベルを見つける。そのシャベルで穴を掘ってみると、そこからなぜか水がわきでる。そして、おばあさんはいつの間にか海にいた。そこで網を編んでいる猫に会い、編むのを手伝ってくれと頼まれる。
 ここに出る猫の村は「猫の結婚式」にも出てた村でしょうか?

海の口笛

 洋服にできた虫食い穴などを修繕する仕事(かけはぎ屋)をしているふしぎな男がいる。その男はどうやって服を修繕しているのか。夜、一人娘とともに修繕する。そんなある日、海に濡れたような男が客としてやってくる。

南の島の魔法の話

 翻訳の仕事をしている小沢さんが訳しているのがタイトルの『南の島の魔法の話』。この翻訳に難航中。その話の中に出て来る不思議な妖精(ピアリピアリという)の声が現実の世界で聞こえてくる…。いつしか小沢さんは浜辺に立っていた。

だれにも見えないベランダ

 若く気前のいいお人好しの大工さんは、人々から頼まれたちょっとした仕事に追われていた。そんな大工のもとにある夜、一匹ののら猫が訪れる。お世話になっている娘のためにベランダがほしいと頼んできたのだった。