文字を食べる

読書の備忘録ブログです。

笹生陽子『家元探偵マスノくん 県立桜花高校★ぼっち部』

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装画:くまおり純

友達作りに乗り遅れたチナツは、成り行きで孤高の変人ばかりが集う「ぼっち部」へ入部することに。
メンバーは、華道家元Jr.で探偵趣味のあるメガネ男子マスノくんに、女優志望の西園寺さん、
自称・魔剣の現身(うつしみ)の田尻くん、ネット越しでしか会話をしない正体不明のスカイプさん。
そんな超個性派集団のもとに、次々と事件が舞い込んで――。
NGワードは「一致団結」「和気あいあい」。
孤独と謎を愛する人に贈る青春学園ミステリー。
(引用元 https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8111173.html

 「ぼっち部」という言葉が気になって読んでみた本。表紙のイラストも素敵です。YA向けのユーモアたっぷりな学園ミステリ。といっても、ミステリというよりは青春小説って感じでしたが。個性的なキャラたちが作品に良い味を出してたように思います。個性的すぎて全然グループとしてのまとまりはありませんでしたが、それもまた良し! 基本的にみんな良い子でした。

 一見関係なさそうな事件だけど、その些細な事件が1つの大きな事件に繋がっていたというパターンの話。その話の中で「ぼっち部」の面々が仲良くなったりしていくんですが。話の最後で探偵マスノの助手となったチナツ。関係が大きく(?)変わった1組ですけど、それまでの雰囲気が雰囲気だっただけに、ちょっと思ったのと違うな、と思わないでもなかったり。でも、この2人はこんな感じがあってるような気もします。2年、3年とどんなふうに学園生活を過ごすのか見てみたい気も。
 キャラで言うとスカイプさんが気になってました。結局詳細はわからなかったけど、これもわからないままの方が楽しいかもしれません。結構人数多かったのにはびっくりしたけど、納得もした。
 スカイプさんがいつも最後につける<あなたの友人、スカイプより>というメッセージが地味に好きだったりします。何気に仲間思いです、この人たち。チナツが危険なとこに1人で向かってると知った時に心配して同じぼっち部の応援呼んだり、現場に赴いたり。それを言うと西園寺さんや田尻くんもだけど。田尻くんというと、チナツの「カスノート」に対する感想がちょっと面白かった。どっちに対する「カス」なのかっていう。

ポプラ文庫ピュアフル版の装画もいい!(装画:丹地陽子)