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時雨沢恵一『アリソン』シリーズ

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 時雨沢恵一の『アリソン』シリーズの感想をまとめました。こちらのシリーズは全巻読了済です!
 イラスト:黒星紅白

『アリソン』シリーズ

『アリソン』

アリソン (電撃文庫)

アリソン (電撃文庫)

内容
 長い間、戦争を繰り返す大陸のある世界が舞台。
 ある日、学生のヴィルと軍人のアリソンんはホラ吹きで有名な老人と出会う。老人は、戦争を終わらせることができる価値がある宝の存在を二人に話すが…。

 飛行機が好きなので飛行機が出てくるこの作品、結構好き。全然詳しくはありませんけど。離陸したり、旋回したり、戦闘のシーンがかっこいいなあ。終盤にあるベネディクトのプロポーズだとか、ちょっと唐突じゃないかなと思う場面がいくつかありましたが、内容は面白かったです。読みやすくもあり、一気に読みました。
 登場キャラ(主要)が良い! 空軍パイロットでお転婆(行動力がある)なアリソンに、記憶力がよい優等生なヴィル。2人の掛け合いが好きです。ヴィル一番な考えなアリソンが可愛いと思います。寝相は大変だけど。
 あと、掛け合いというと牢に捕まってたワルターとアリソンたちの会話も巧妙に出来ていて好きです。2つの国の言語を生かした会話。わかっていないふりをしてはいるけれど、彼等にしかわからない会話。ワルターに返事をするために、うまくその返事に持って行こうとするアリソンやヴィルの機転の良さが見れました。優秀だ~。読み終わったあとに思ったんですが、序章のモノローグ(?)はワルターかな。


『アリソン 2 真昼の夜の夢』

内容
 ヴィルの冬季研修旅行を知ったアリソンはとある計画を立て、2人は一緒に過ごすことに。2人はある村に立ち寄るが、その村には何かあるようで…。

 「アリソン」の続編。今回も面白かったです。割と読みやすい展開ではあるのですが、それでもやっぱり面白いのは、作者の技巧が優れているからなんでしょうか。伏線の謎がはっきりとしていく過程が良いなあと思う。
 今回新たに登場した女性であるフィオナさんも魅力的だと思います。まだイクス王国のごたごたは片付いていないようなので、またイクス王国のことは出てきそうです。

 今回の話のメインはアリソンとヴィルというよりは、フィオナとベネディクトだったように思います。相変わらずアリソンはヴィルのことが大好きで、ヴィルはなんとも思ってない(鈍い)という様子でしたけど、そんな2人の活躍が少なかったのがちょっと残念で。この2人好きなので。ベネディクトとフィオナさんの例のシーンを見て憤慨するアリソンは可愛かったです。ヴィルの狙撃の腕前も相変わらずで、今回もかっこよかったです。次の巻ではもうちょっと2人のことがクローズアップされているといいなあと思います。
 あとがきならぬ、よこがきの部分で簡単に登場人物の説明がされてました。そのヴィルの紹介がこうでした。

主役です。出てこなかったらアリソンが怒ります。殴られます。

 彼女ならやりかねないかも…と思いました。いや、アリソンなら絶対怒るな。ほんとに大好きみたいだもの。今回アリソンは一世一代の告白をヴィルにしますが、彼が寝ちゃってたのが残念です。でも、彼等らしいとも思います。


『アリソン 3上 ルトニを車窓から』

 豪華な列車旅行を楽しむアリソンとヴィル。
 アリソンが寝相悪かったり、寝起きが悪かったりしてるの見て相変わらずなんだなって思ったりしました。またヴィルも然り。相変わらず自分のペースを守ってます。ベネディクトとフィオナの関係には少し変化があったような気もしますが。
 ともあれ、上巻は事件の発端が起こっただけで大きなこと・解決は下巻なので主な感想は下巻で。
 しかし、上巻。序章の初っ端から驚くことがいっぱいでした。子供!?


『アリソン 3下 陰謀という名の列車』

 アリソンもついにこの巻を持って完結! この巻はなんかあっという間に読めてしまいました。よく見たら、ページ数もそんなにないようです。
 飛行機が出てこないのは残念でしたが、キャラがそのキャラらしさをずっと持ち続けているのがいいなあと思いました。アリソンはずっとアリソンでヴィルはずっとヴィル。当たり前のことなんだろうけど、結構キャラを保たせるのって難しいんじゃないかなと思います。
 上巻で起こった事件についての解決編、というのがこの下巻。上巻でのキャラクターの思わせぶりな発言にこう余計な考えを回していたわけですが、杞憂に終わったようで何より。(あえて何とは書きません)少しずつ書かれていた伏線が最後に明かされたときは「そうきたか」なんて思ったりもしましたが、あらかたのオチは途中で読めてたりしました。

 ヴィルの銃の腕前が光る場面が多かったのですが、フィオナさんの知恵も光ってました。相変わらずアリソンは鋭いんだか鈍いんだかで、ところどころで笑わせてくれました。ベネディクトとフィオナがめでたいことになったわけですが、それ以上にアリソンと彼の人との対面のシーンも感動とちょっとした笑いがあります。やっぱりアリソンの頭の中にはヴィルのことしかないようですね。ともかく「おめでとう」と言ってあげたい気分です。ちょっとアリソンが考えていたのとは違うのかもしれないけれど。
 この巻で『アリソン』は終わってしまいましたが、また新たな話へと繋がっているようですね。アリソンの娘のリリアと身分を隠してる少年トレイズ。彼らの話も気になるところ。『アリソン』キャラも登場するようですし、機会があれば読みたいです。
 しかし、上巻での序章で物凄い衝撃を受けたのですが、ヴィルの事情がわかってすっきりです。
 後書きの凝ったつくりに感服です。ここに結構な労力が掛かっているように思います。