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谷川流『涼宮ハルヒ』シリーズ

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 谷川流の『涼宮ハルヒ』シリーズの感想を途中までですが、まとめました。(憤慨まで)まだ読んでないシリーズもいずれは…!
 表紙画像並べてにやにやしたいので、角川スニーカー文庫、角川文庫と両方のリンクを貼っています。
 角川スニーカー文庫 イラスト:いとうのいぢ


涼宮ハルヒシリーズ

『涼宮ハルヒの憂鬱』

「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」


 アニメが人気だったときに読みました。
 表紙・挿絵の絵は可愛いんですが、なんかとっつきにくいイメージがありました。ただの学園ラブコメディかと思えばそんなこともなく……結果はとても楽しんで読みました!

 物語は主要登場人物の1人でもあるキョン、彼の視点で語られています。そのキョンの一人称での語りが結構好きだったりします。心の中の突っ込みとか、彼の頭の中のめくるめく妄想とか。特殊な人たちの中に囲まれて、1人いわゆる「普通な人」である彼は、「普通」であるにもかかわらずなんとなく浮いて感じます。が、今回もそうであったようにハルヒにとっては、彼女の態度からは解かりにくいけど、やっぱり特別なんですね。終盤での展開は非常に突然のように思われますが、ちゃんと作中にその展開に行き着くまでのハルヒの心情変化が書かれてます。気づきにくいけれど。
 この作品は割と何でもありな感じの設定だけど、巻末のコメントにも書かれていたように、涼宮ハルヒだからありかもなあ、と思えちゃうのが不思議です。
 キャラとしてはシリーズ1作目なので、まだ特別好き!ってのはないですけど、キョンの名前が気になって仕方ありません。誰にも名前呼ばれてないって、なんかすごいような気もします。

★一般の方も手に取りやすい角川文庫版



『涼宮ハルヒの溜息』

 表紙のみくるちゃんはとっても可愛いけれど、レジに持っていくのがちょっと恥ずかしかった思い出。
 今回も面白かったです! が、ちょっとハルヒさんの我侭っぷりというか…が気になります。まあ、そこらが彼女の持つ魅力の一つなんでしょうけど、キョンはつくづく忍耐の男だなあと思います。一風変わったSOS団の面々と上手くやっていけてる(?)のですから。さすがに今回はハルヒに対して怒ってましたけど。でも、キョンってほんと重要な人物なんですね。彼の一言で世界がひっくり返っちゃうかもしれないんだから。

 しかし、みくるさんは大変だな! ハルヒのおもちゃにされちゃって。メイド服やらバニーガールの衣装やらウエイトレスの服だとか着せられて。可愛いんですけど。魔女の扮装をした長門さんも大変可愛らしかったです。みくるさんの目からビームを受け止めたりなどなど、今回の影の功労者は紛れもなく彼女だと思います。本人は苦にも思ってないでしょうが。
 映画を撮るためにレフ板持つ係だった(一応主演男優)古泉くんも結構好きです。キョン氏が想像して鬱になった、「憂鬱」な古泉くんを一度見てみたいものです。あんまり想像つきません。彼はやっぱり、いつもにこにこなイメージなので。
 それぞれに性格の偏りのあるキャラたちですけど、これはこれでバランスが取れているのかも。長門さん好きだなあ。

★角川文庫版。これは普通にレジに持っていけるな。




『涼宮ハルヒの退屈』

 今回は短編集。SOS団の夏の話。長門、みくる、古泉の設定が掘り下げられ、なんとなくキャラのことがわかってきました。おもしろかった!
 「涼宮ハルヒの退屈」、「笹の葉ラプソディ」、「ミステリックサイン」、「孤島症候群」を収録。

★角川文庫版




『涼宮ハルヒの消失』

「涼宮ハルヒ? 誰のこと?」

 みんなの中から涼宮ハルヒの記憶がなくなった世界の話。

 笹の葉ラプソディの伏線というところでしょうか。(思えば、他にもいろんなところに伏線はあったように思いますが)
 思うことは色々あるのですが、一度語り始めるとえらいことになりそう。「消失」好きすぎるゆえに割愛します。とにかく長門好きにはたまらない回かと! 長門の変化もキョンのSOS団に対する気持ちの自覚もどっちも良いことだと思います。長門はあの世界の長門のようにキョンと一緒にいたかったんでしょうか。

★角川文庫版。表紙がちゃんと雪なのがいいなあ。


★映画




『涼宮ハルヒの暴走』

 短編集。「エンドレスエイト」、「射手座の日」、「雪山症候群」を収録。
 どの話も面白くてよかったと思う! 個人的には「雪山症候群」が一番。SOS団というまとまりに一体感がでてきてるのがよい。最初はほんとにただの寄せ集めって感じでしたけど、こういう仲間の絆だとか友情だとかいいなあと思う。倒れた長門を心配するハルヒの描写もよかった。「消失」のときもそうだけど、普段は横暴なハルヒだけどこういう一面は素直に彼女の魅力の一部なんだと思う。あと、消失以来、キョンが長門を気にしてるというのも個人的には嬉しいことで。彼、最初は彼女のこと単なる付属品としてしか見てなかったですからね。些細なことかもしれないけど、やっぱりすごい変化なのではないかと。
 ところで雪山編なんですが、古泉のとこにきたキョンは何を言ったんですかねー。なんとなく気になってしまいます。(単なる好奇心)あと、鶴屋さんは意外とあなどれない。

★角川文庫版



『涼宮ハルヒの動揺』

 短編集。以下の5編を収録。

ライブアライブ
 文化祭。ハルヒと長門がライブの助っ人に出る話。アニメがすごいので、アニメも見てほしいです。

朝比奈ミクルの冒険 Episode 00
 SOS団が文化祭で発表した映画。

ヒトメボレLOVER
 長門にひとめぼれしたというキョンの友人。ラスト、「残念だったか?」と問うキョンに対して「…少しだけ」と答える長門は貴重かと。

猫はどこに行った?
 雪山症候群の時間軸、古泉たちが演じる予定だったミステリの寸劇。古泉も意外と苦労人だなあ。

朝比奈みくるの憂鬱
 のちの「陰謀」につながる話。また少しみくるのことがわかったような気がします。自分のことをどんな風に考えているのか、とか。未来人も大変だ。これからどんなことが起こるのかわかっていても下手に手を出せないというのはもどかしいだろうなあ。

★角川文庫版



『涼宮ハルヒの陰謀』

 みくるに焦点があてられた話。SOS団の敵になりうるキャラの登場。彼の名前なんていうんでしょうね。あと、キョンの本名もなんていうんでしょうか。シリーズもクライマックスになってくればわかるような気もしますが、だんだん謎は謎のままでもいいような気もしてきました。不便というわけでもありませんし。

 タイトルに「陰謀」がついてますが、本編の中にもいくつかの陰謀があったように思います。それは敵対するであろう未来人の思惑だったり、朝比奈みくる(大)の思惑であったり、ハルヒたち女の子3人のちょっとしたドッキリだったり。女の子たち3人が一緒に何かしているのは可愛いと思います。あと、ハルヒについて、彼女のインパクトは大きいですが、いまいち本編での活躍って薄いよなとなんとなく思ってたんですが、本作を読んでやっぱり物語は彼女中心に動いてるんだなと改めて感じました。まあ、進行役はキョンなんですけど。
 「消失」以降の長門の変化はめまぐるしいものがありますが、今回も結構大きな変化が見られたように思います。自分の意思で何かを決断するとか。長門以外の変化でやっぱり大きいのはキョンの内面ですよね。SOS団という集まりを大切にしたりだとか。あとは、今まで彼の癒しにはみくるだけだったけど、いつの間にか長門もカウントされていることですかね。前にも似たようなことを書いたけど。たまにヒロインが誰なのかわからなくなります。

★角川文庫版



『涼宮ハルヒの憤慨』

編集長★一直線!」、「ワンダリング・シャドウ」を収録。
 会長という新キャラの登場。(やっぱり名前はでません)長門が書いた短編が私小説なんだろうな、というのはキョンがそれを言う前から感じてはいましたが、なんだか切ない感じがします。あの挿し絵良かったなあ。光・闇・矛盾・常識は他のSOS団のメンバーだと思いますが、「矛盾」以外のものに誰があてはまるのかが自信ありません。矛盾はみくるだと思うのですが。常識がキョンなのか古泉なのか…。

★角川文庫版(リンク先は楽天)

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