岩波少年文庫の宮沢賢治の本の読書記録をまとめました。…まとめるほどの文量ではありませんが。どれも短めです。
宮沢賢治の作品
『注文の多い料理店 イーハトーヴ童話集』
表題作の「注文の多い料理店」、「どんぐりと山ねこ」など他多数の短編、詩を収録。
学校の教科書にも載っていたなあと、読んでいて懐かしい気持ちになりました。「注文の多い料理店」はいちばん最初に読んだとき、ちょっと怖いって思ったっけ。
解説によると、「注文の多い料理店」が翻訳されたとき、海外ではこの物語の本を料理のマニュアルだとか、そういう関連本だと勘違いした人が多かったらしいです。なんとなくわからないでもないかも? どんな翻訳タイトルだったんだろう。
そういえば、「イーハトーヴ」ってなんだっけ? という方にはこちらの記事。
イーハトーブ - Wikipedia
『銀河鉄道の夜』
宮沢賢治の童話集。表題作ほか7編収録。
銀河鉄道の夜は、国語の授業で読んだ記憶がありますが、その時はあんまりおもしろくなかった気がします。が、ふと最初から最後までちゃんと読んでみたくなって手に取りました。
やっぱり一度読んだだけでは理解できない部分が多いなあ。読解能力の問題でしょうけど。
「貝の火」、登場するのは動物たちだけですが、人間の本質をついているような気がする。一度権力を手に入れ、味をしめたらどうなってしまうのか、みたいな。「オッペルとぞう」もそんな感じ。黙って言うことを聞いてくれる象を己の私欲のためにこき使い、そして、それがやっぱり自分に返ってくるという。「カイロ団長」の話もその点においては似たような教訓があるような。
「なめとこ山のくま」は今までやってきたことが自分に返ってくるという部分だけで見ると先にあげた作品と同じように思いますが、根本的な部分が違うかも。ラストに、熊たちが小十郎にひれ伏した―って具合の描写があるんですが、それがなんとも不思議な感じでした。そういえば、「なめとこ山のくま」も国語の時間に扱われたような気がする。
「銀河鉄道の夜」は、やっぱり最初から最後まで全部読まないとさっぱり理解できないな。ジョバンニとカムパネルラの友情の話ってことでいいんだろうか。でもそれだけであらわすには何か違う気もする。銀河鉄道は死者を天上の方へ連れて行く鉄道、ということで自分の中では落ち着いたけど、実際あれはどんな鉄道だったのだろう。言葉で表現するの難しいな。不思議な世界観だ。幻想的ともいう。
しかし、カムパネルラがいなくなってしまった(死んでしまった?)ことには正直ショックでした。なんだかさみしいです。
「きっとみんなのほんとうのさいわいをさがしに行く。」
というジョバンニの台詞が印象深かったです。
読了後、頭の中に浮かんだのは星がきらきらと輝く夜空でした。
収録されている話
やまなし
貝の火
なめとこ山のくま
オッペルとぞう
カイロ団長
雁の童子
銀河鉄道の夜
宮沢賢治の話にたくさん使われている擬音語、擬態語好きだなあ。