角川スニーカー文庫の乙一作品の読書記録をまとめました。内容はないような感じです。
イラスト:羽住都
乙一作品
『失踪HOLIDAY』
継母とケンカのすえ家出したナオは、敷地内の使用人の部屋にむりやり居座って家族の様子を観察することに…。居場所を求めてさまよう14歳が巻き起こすドタバタを描く表題作の他「しあわせは子猫のかたち」を収録。
(引用元 https://sneakerbunko.jp/product/shissou/200008000045.html)
乙一作品にハマりたての頃に読んだ本です。
失踪HOLIDAY
コミカルでテンポの良い話。主人公の考え方が子どもらしくてかわいい! オチはなんとなく読めてしまったけれど、それでも「やられた!」って思いました。どんな理由であれ犯罪はよくないことですが、最後は温かかった。犯人もやっぱり憎めなかったです。
しあわせは子猫のかたち
表題作の失踪HOLIDAYより、個人的にはこちらの話が好みでした。主人公の大学生と引越し先に住んでいた住人の幽霊、そして子猫の話。この猫が重要キャラなんです!
主人公と幽霊のコミュニケーションの取り方(距離の取り方等)が絶妙で好き。切ないけれど、温かい。なんだか優しくなれる話でした。
★角川つばさ文庫
『きみにしか聞こえない CALLING YOU』
私はケータイを持ってない。なぜなら、私には友達がいないから。だから毎日空想をして、憧れ続けていたある日。頭の中に鳴り響いた美しいメロディ。それは、同じさみしさを抱えた少年からのSOSだった……。
(引用元 https://sneakerbunko.jp/product/callingyou/200103000776.html)
書名にもなっている「Calling you」ほか、「傷-KIZ/KIDS-」、「華歌」の3つの短編を収録。このなかでも「Calling you」はその切なさに途中泣きそうになってしまいました。
個人的には「傷-KIZ/KIDS-」が好きです。優しくなれるような気がします。そして、キャラの笑顔の挿絵がとっても可愛かった。
「華歌」は最後まで性別を逆に考えて読んでいたので、いろいろ判明したときかなり驚かされました。あれ、きみそっちだったの!? みたいな。すっかり騙されてしまいました。悔しいなあ。
★角川つばさ文庫版
★映像化もしている。コミックもあるようで人気の話なんだなあと思う。
『さみしさの周波数』
「おまえら、いつか結婚するぜ」――未来を「予報」されてしまった僕と彼女は、それきり視線を合わせられなくなった。そして数年後、再会した僕らは? 胸にしみる乙一流ファンタジー!
(引用元 https://sneakerbunko.jp/product/samishisa/200203000661.html)
切ない話、ちょっとコミカルな話、怖い話、寂しい話……どれも毛色が違っていて楽しく読みました。「フィルムの中の少女」の一人語りという物語の進め方がなんだか新鮮でした。あとがきが相変わらずおもしろかったです。
収録されている話
未来予報―あした、晴れればいい。
手を握る泥棒の物語
フィルムの中の少女
失はれた物語