いろいろなエッセイの読書記録をまとめました。どれも短めです。
大体読了順。 ====
エッセイ
おーなり由子『きれいな色とことば』
心の動くところから、しゃぼんの虹のようにたくさんの色が生まれてくる。読むたびあたたかい色に包まれるイラスト満載のエッセイ集。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000212855
世の中はたくさんの色で満ち溢れている。私はその中で、時々はっとするような色を見かけることがあります。でも、その色を言葉で表現しろと言われるとうまく言葉にできない。それを作者はうまく表現している。抽象的な言葉ではあるけれどその色がとても綺麗に感じられます。
「水のようなひと」が特に好き。
風のような人はすぐに行ってしまう人。自由が好きなので、基本的には独りが好き。それなのに時々すごく寂しがりになって、誰かに寄り添い、めんどうになっては去っていく。(略)
こんな感じでいろいろたとえが書かれてあって、いいなあ、と。挿絵も可愛らしく、色も鮮やかで綺麗。
○新潮文庫
俵万智『ちいさな言葉』
幼い子どもが一つひとつ言葉を覚え,使うようになる道のり──それは微笑ましいだけでなく,日本語の不思議や面白さを照らしだしてもくれる.
https://www.iwanami.co.jp/book/b256194.html
息子さんとの日々の出来事を描いたエッセイ。タイトル通り、「言葉」関連中心。語彙が増えていく様子とか、作者の母としての視線がとても温かく優しかった。息子さんの夢の学校の話が気になります。和みました。
石井好子『私の小さなたからもの』
「お気に入りのフライパン」「ハンブルグの絵皿」「バラのコサージ」「パリとパルファン」……人生の節目節目に出会った大切な物たちについてエッセイの名手が綴った極上のコレクション。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309020587/
「バタをひとさじ~」も思ったけど、装丁がおしゃれで素敵。
中のエッセイは色んな年代に色んな場所で掲載されたものをまとめたもののようです。何十年も前のものもあるみたい。一つひとつは短い文章。以前読んだ料理エッセイも素敵(一言で現すのは難しいが)だったけど、それ以外も良いですね。家族に関する話は心が温かくなります。落ち着いた空気の中でゆっくり読みたい本です。
★単行本
獅子文六『ちんちん電車』
昭和のベストセラー作家が綴る、失われゆく路面電車への愛惜を綴ったエッセイ。車窓に流れる在りし日の東京、子ども時代の記憶、旨いもの……。「昭和時代」のゆるやかな時間が流れる名作。
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309407890/
東京の昔の情緒があふれるエッセイ。タイトル通り、路面電車の内容が主ですが、食べ物の話もなかなかよかったです。おいしそう! 路面電車は最近は全然利用しないけど、いい電車ですよね。のんびりしていて。エッセイから、そういうのが伝わってきます。なくなったらと思うと寂しいかも。
○装丁違い